沖縄多胎ネットは今年5月から6月にかけ、県内の多胎家族の現状と必要な支援を調査するために、多胎の妊婦・多胎の子どもの親を対象にしたアンケート調査を初めて行いました。

その結果454人が回答し、多胎家族の抱えるさまざまな悩みや現状が浮き彫りになりました。

アンケート調査への回答には過酷な多胎育児の実態が

「多胎児で妊婦検診の回数が多いのに、国からの補助の回数では足りない」
「2人を保育園に通わせることが、金銭面や待機児童の多さが理由で難しい」

多胎育児の当事者アンケートに寄せられた回答

妊娠中に必要な支援については「金銭面の援助」が19.5%と最も多く、次に「家事育児の人手」、「物資の援助」と続きます。

また、育児中の225人が多胎育児を困難に感じていると回答し、睡眠不足、移動が困難で外出ができないとの声が多く寄せられました。なかには、育児疲れで父親が体調を崩し「夫を“産後うつ”に追い込んでしまった」というケースも記述されていました。

▽沖縄多胎ネット・内間美沙紀代表
「不妊治療を頑張って、待望の赤ちゃんがようやくできて。でもいざ子どもを授かってみると、虐待はしないんですけど、気持ちはすごくわかるほどに疲れ切っている、疲弊している声もあって。共感する声ばかりでした」

▽沖縄多胎ネット・内間美沙紀代表

現在、(沖縄多胎ネットが)市町村から委託された交流会は浦添市のみ。今後、アンケート結果を踏まえて交流会の場を広げるなど県や市町村に具体的に提案していきたいと考えています。

ーー今後、力を入れたい支援は?
「妊娠期からのつながりが大切だと思うので、多胎の妊婦向けのプレパパママ教室。この辺を力を入れて充実させていきたいと感じてます」

「妊娠期からのつながりが大切」

 沖縄多胎ネットでは、ホームページでイベントや交流会、地域のサークルの情報を紹介しています。活動を支える賛助会員も募集していますので、詳しくは「沖縄多胎ネット」のホームページをご覧ください。(取材 照屋貴奈)