「日本会議と異なる主張をして“選挙への影響”を恐れていた人もいた」
一方、岡山県議会では2021年3月、選択的夫婦別姓の法制化に反対する意見書が可決された。
意見書の元となったのは、約1か月前に提出された陳情書。それを自民党県議団が主導して意見書にまとめたという。
陳情書と意見書は、全く同じ文章から始まっている。

「家族は社会の基盤である。家族が同じ姓を名乗る夫婦同姓制度は、家族の絆や一体感の維持、子供の福祉に資するものであり、社会の維持にとっても極めて重要な制度」
番組の取材で、この陳情書を提出には日本会議の幹部が関わっていたことが分かった。その幹部を知る神社の宮司は…
陳情した人を知る宮司
「日本会議の役員をされていたから。日本会議いろんな噂はあるが、神社庁も含んでいるし、皇室と英霊とかを大事にする、そういう人間が集まっている」
意見書の可決までには、どんな経緯があったのか。自民党の県議は…
――議会で可決をした意見書についての話ですので、お立場としては説明をしていただきたい

自民党 市村仁 岡山県議
「その気持ちはわかるんですけど、ちょっと立場上、私の子どもが受験生であまり刺激を与えたくない。田舎の方ですからね」
カメラの前での説明を拒む県議。一方、自民党県議の中には、当時は党の方針に従ったものの、実は選択的夫婦別姓に反対ではなかったと打ち明ける人もいた。

自民党 乙倉賢一 岡山県議
「別姓を望まれる人は別にいいんじゃないと思いよったよ」
――家族の絆、一体感が危うくなって、子どもの福祉に悪影響を及ぼすと
「そう言っている人もおったな。影響があるかどうか、やってみな分からん」
――諸外国ですでに実施されていて、あまり影響ないのでは?
「さすがにな。それが別姓になったら絆が作れないのであれば、諸外国で絆はないわな」
“日本会議と異なる主張をして、選挙への影響を恐れていた人もいた”と別の県議は話す。

自民党 木口京子 岡山県議
「いわゆる保守で(陳情を)出した人もそちらの考えの強い人で。その人たちとの意見が違えば、落選運動に持っていかれたという経験はいっぱい聞いていますから」
――改めてこの意見書をご覧になって
「(意見書に)私はそもそも反対。あまりこれは納得できないので。元々そういうスタンスです」
意見書の可決には、日本会議の働きかけがあったのか。岡山の事務局が電話取材に応じた。
――落選運動を恐れるということを言う人も

日本会議岡山本部
「日本会議としてそういう活動をすることは一切ありません。個人としていろんな人に圧力をかけたり、賛成・支持したり、不支持に回ったりというようなことをしているのは、あくまでも個人の考えに基づいたものですから」
――家族の絆や一体感が、別姓によって壊れるとお思いなんですか?
「うーん、壊れる…これも表現の一つなんですけど。じゃあ子どもはどっちの姓を名乗るんだというような、夫婦別姓を実施した場合に起こってくる問題について、もっと言及して、その上で夫婦別姓をもう少し慎重に考えていくべきではないか」














