“夫婦別姓”の審議を求める意見書の可決相次ぐも…議論進まぬ理由

国会で30年間、採決されることがなかった選択的夫婦別姓制度。一方、都道府県からは法制化の審議を求める意見書の可決が相次いでいる。
その一つ、埼玉県議会では、3年前の2021年「選択的夫婦別姓制度の導入に向けた国会審議の推進を求める意見書」を可決した。取りまとめに動いたのは、自民党の県議たちだ。

しかし、その2年後の県議会選挙の際、ある団体から複数の県議に手紙が届いた。送り主は神道政治連盟の埼玉県本部。選挙を支援する条件として、「夫婦別姓の反対」など7つの項目への賛同を求める内容だ。
手紙の内容
「伝統的な家族制度の崩壊につながりかねない、選択的夫婦別氏(姓)制度の導入に反対し、その対処策として旧姓の通称使用の拡大に努めます」

自民党 田村琢実 埼玉県議
「神道政治連盟から、こういうものが送られてきたのは初めて。ちょっと違和感があった」
神道政治連盟は、全国8万社の神社を包括する神社本庁の関連団体の一つで、自民党の国会議員と長らく、深いつながりを持ってきた。

森喜朗 首相(2000年・当時)
「神様を大事にしているから、ちゃんと当選させてもらえるんだなと」

神道政治連盟のホームページには、問題意識を共有する国会議員として自民党出身者271人の名前があがっている。
自民党 田村琢実 埼玉県議
「このような内容で同意される方って、保守政治家の矜持というのか、保守政治家は、それに反対しなきゃいけないと思い込んでいるところがすごく強いと思う。私の肌感覚では、国会でも、もう多数は取れているんだと思う」