コメ不足の中 海外輸出が過去最多 国内に転用は?

一方、輸出米に疑問の声も出ています。農水省によると、2024年1-7月の海外へのコメの輸出量は、前年同時期と比べて23%増えて過去最多となりました。背景にはおにぎり専門店など日本食の需要が拡大していることがあるようです。

SNSでは「国内にコメがないのに輸出してるの なぜ」「外に出す前に国内流通を安定して」「品薄って言われているから、輸出分を国内に回したらいいのに」という意見がありました。

東京大学 斎藤幸平准教授:
コロナの時にはトイレットペーパーが品薄になったことがありましたが、日本人はこういうときにパニックになって買いだめしてしまうことが多いですよね。

もう新米の季節なので、このタイミングでは備蓄米は出せないと思いますし、メディアも煽りすぎなのかもしれません。

日比キャスター:
私たちもちゃんとお伝えしないといけないと思っています。ある場所にはあって、まったく無いわけではありませんし、もう見通しも立ち始めているということです。

輸出米の国内転用は難しいのでしょうか。実は輸出米は国内用とは別に政府が補助金を出して農家に“生産を依頼”しています。日本米穀商連合会の相川英一専務は「補助金にひも付いた輸出用のコメは国内向けに転用できない」といいます。

東京大学 斎藤幸平准教授:
普段からお米をたくさん作って、余分なお米はどんどん海外に輸出するのがいいと思います。

今回はお米をギリギリしか作っていない中で、予想が外れると一気にコメ不足になってしまうということです。この背景には今まで進めてきた減反政策や、市場原理を進めてきたせいで米の価格が下がり過ぎてしまっていることがあります。

しかし、これで作る量を増やし、供給を増やすと価格また下がってしまいます。主食であるお米は、国内用にも政府がしっかり補助金を出して支えていくべきだと思います。