“熱疲労”で熱中症の10倍の死者 気温上昇で感染症流行も

さらに、危険な暑さはある健康被害を引き起こし、熱中症の10倍もの死者を出していると指摘する専門家もいます。

東京大学 井原智彦 准教授
「熱中症の死者は30年を平均して300人ぐらい。“熱疲労”で亡くなっている方は3000人ぐらい」

この“熱疲労”とはどんな症状なのか。

東京大学 井原智彦 准教授
「暑くなって体温が上がる以前に、他の臓器に影響が出て亡くなってしまうことがあります。例えば、呼吸器とか循環器です。気温と疾患の関係をとると、明らかに気温が上昇したらそういう疾患の死亡が増えている」

急激な体温上昇が原因となる熱中症とは異なり、暑さがじわじわと臓器にダメージを与え、心不全などの疾患が引き起こされるというのです。

さらに、気温や水温が高くなることでウイルスや菌が蔓延しやすくなり、2024年に大流行した手足口病など、様々な感染症も流行しやすくなるといいます。

東京大学 井原智彦 准教授
「どういう方が(暑さの)被害が遭っているかを突き詰めて、彼らが導入可能な対策を社会全体で後押しすべき」