広島の食の魅力を高めるプロジェクトです。去年の広島サミットでも注目を浴びた比婆牛のブランド化を目指す県の取り組みが始まりました。

田村友里 アナウンサー
「いい色です。いただきます。お肉います」

わたしがいただいているのは肉なし牛丼。その名の通り肉は入ってなくて、比婆牛の脂で玉ネギを炒めました。

考案したのは、ミシュラン1つ星も獲得した日本料理「喜多丘」の 北岡三千男 料理長なんです。

日本料理喜多丘 北岡三千男 料理長
「玉ネギに牛脂を吸わせて味をつけています。玉ネギをかむと牛の香りがするので、お肉を一緒に食べているみたいな感じがします。和食はカツオ昆布だしと合うかどうかが一番。あっ、これはだいじょうぶと思った」

比婆牛の脂は融点が低く、冷たい冷製料理にも合うんだそうです。

この提案会は、広島の食の魅力を向上させ、情報発信する県の「おいしい!広島プロジェクト」の一環で、比婆牛の流通化を目指そうという取り組みです。

比婆牛はミネラルを豊富に含む赤肉とすっきりとした味わいの脂のバランスのよさが特徴です。

比婆牛は、およそ180年前の品種改良がきっかけで誕生しました。品評会で日本一に2回輝きましたが、その後、飼育頭数も少なくなり、希少価値の高い高級和牛となりました。

プロジェクトでは牛の部位を余すところなく使う新しい調理方法が提案されました。フランス料理のオーナーシェフが考案したのは…

「1キロ40万円の冬のウィンタートリュフの下に、生産車の田中さんの最高な肉、もも肉、松の実とかいろいろ合わせています」

ぜいたくな一品ですが、さっそくいただきました。

田村友里 アナウンサー
「おいしい。高級感がすごすぎて感動。比婆牛の肉のうまみがすごいですね。肉自体の味が濃い」

ル・トリスケル 勇崎元浩 オーナーシェフ
「家族でも恋人同士でもまず食べてもらって、広島県のシェフもがんばっていますので、食べたらわかる」

そのほか、比婆牛は海鮮料理にも合うということでタコやワカメと合わせた料理も提案されました。

み乃家 高谷良佑 オーナーシェフ
「比婆牛の味わいは風味や香りが強いので、海のものに負けないくらい香りがあるので、両方引き立つ感じでよかったです」

プロジェクトの取り組む県も新しい比婆牛の活用方法に期待しています。

広島県 農林水産局畜産課 小川寛大 課長
「これまで使いづらい部位は比婆牛として流通していなかったと思うので、そこに料理人の手が入ることによって光が当たって、比婆牛っておいしいよねとなればいいなと思っています」

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しばづけと比婆牛を重ねた料理を試食。しばづけは酸っぱいので比婆牛の脂を少し混ぜ大根おろしで和えています。

プロジェクトでは、県内23の料理店で2日から10月31日まで比婆牛を使ったメニューを用意する「比婆牛堪能グルメフェア」、牛のいろんな部位を使った料理人のオリジナルメニューを募集する「HIBAGYU Co‐Branding Project」も始めます。(締め切り10月20日)