突然パソコンから警告音が鳴り響き、止めることができなくなる。
突然ファイルが暗号化されデータを人質に取られる。
「金を払えば解決する」と脅され、不安にかられた被害者が支払ってしまう。
このような「サポート詐欺」と「ランサムウェア」の被害が昨年度も相次ぎました。
具体的な事例と対策について専門家と深掘りします。

不安に付け込み、金銭を巻き上げる「サポート詐欺」
アダルトサイトを見ていたら突然「ピーピーピー!」と大きな音が鳴り、画面には「警告」の文字。
画面には「スパイウェアに感染」と表記され、画面を閉じようと「✕」ボタンを押しても画面が消えない。
焦りや恐怖心から、セキュリティサポートと書かれた電話番号に電話をかける。
すると自分自身や室内の様子が画面上に表示され、片言のオペレーターから映像が流出しているという話もされる。
料金を支払ってしまい、遠隔操作で警告画面を消してもらう。
これが、ユーザーを不安に陥れ、サポートと称して金銭をだまし取る「サポート詐欺」です。
表示された電話番号にかけてパソコンの遠隔操作を許可してしまうと、カメラアプリを勝手に起動され、ユーザーや室内の写真を勝手に撮影されることもあります。
そして、撮影した画像を表示することで、さらに被害者を不安に陥れます。
去年は、検索サイトで「2024年 年賀状 無料 イラスト」と検索した結果に表示されたURLをクリックすると不審なサイトに誘導され、「クリックしてご覧ください」とまるで次のページに遷移するように書かれたボタンをクリックしてしまうと、偽の警告画面に誘導される手口があったということです。
警告画面の✕印をクリックしても消えないのは、ただ全表示画面になっているだけで、キーボードのEscキーを長押しすれば解除できます。
情報処理推進機構によせられたサポート詐欺の相談件数は年々増加傾向だということで、昨年度は4500件あまりにのぼりました。
情報処理推進機構 小山明美グループリーダー
「自分はそんなことには引っかからない、って思われる方も多いかもしれませんが、実際起きてしまうと、焦りや恐怖心で正常な判断ができなくなることがあります。大事なことは、警告画面に書かれている電話番号に電話をしない、ということ。電話さえかけなければこのサポート詐欺の場合は被害が発生しません」
次は、データを人質にとる凶悪なサイバー攻撃を見ていきます。去年も相次ぎました。