▽沖縄気象台 萱場亙起 気候変動・海洋情報調整官
「その他にも、春まで発生したエルニーニョ現象によって地球の大気が暖められていたことや、地球温暖化の影響も記録的な高温を後押ししたと考えられます」
エルニーニョ現象とは赤道域の海面水温の変化のことです。貿易風が弱くなり、南米ペルー沖からインドネシアにかけて海水温が高くなるエルニーニョ現象が春に発生すると、その年の夏は猛暑になりやすいという特徴があります。はるか遠くの海の温度が日本の気候に大きく影響を与えるのです。

(松澤)ー今年の台風の特徴もこれらが関係している?
▽沖縄気象台 萱場亙起 気候変動・海洋情報調整官
「関係していると考えられます。春までエルニーニョ現象が発生していたことも関係して、インド洋の海面水温が平年よりも高い状態が続いています。このような海洋変動が例年と異なる大気の流れをもたらし、(通常は)台風が発生しやすい西部太平洋熱帯域で、発生しにくい状況に。結果的に台風発生数が7月までは4個と平年に比べて少なくなりました」
「また、沖縄地方は8月上旬まで太平洋高気圧に覆われる日が多かったため、台風が沖縄付近に近づきにくい状況となりました。よって台風が沖縄付近を通過するための条件の1つである“台風発生数”が少なく、台風経路も沖縄付近を通過しにくい状況だった、この2つの条件が重なったと言えます」
ただ、9月以降は台風の発生する位置に注意が必要だと萱場さんはいいます。