■急増する感染者数…医療現場「もうこれ以上限界」

7月1日に285人だった感染者数は1週間で倍増。お盆休み明けには3500人を超え、過去最多を更新します。さらに、病床使用率は今回の第7波で初めて50%を超え、一時71.5%にまで達しました。

第7波を招いたオミクロン株は重症化しにくいとされていましたが、高齢者を中心に亡くなる患者が急増。
こうした事態に県医師会は…

8月20日 愛媛県医師会 村上博会長
「もうこれ以上限界だというところが近づいてきている。私たち医療提供者側からの本音を言わせていただきますと、この医療提供体制の堅持ということと社会経済活動を回していくことの並立はもう困難になってきていると思われます」


そして、夏休みも終盤に差し掛かった8月23日。

8月23日 中村時広知事 会見
「BA.5医療危機宣言を発出し行動制限の要請に踏み込んだより一層の対策を行うことといたしました」


県は、自主的な行動制限にまで踏み込んだ新たな方針を打ち出したのです。

しかし既に医療への影響は一般診療にも及んでいます。

愛媛県立中央病院 森高智典 感染制御部長
「一般病床を制限する必要があるので約3割減という形で病床を運用しています」


コロナ患者を受け入れている愛媛県立中央病院では、8月に入り、職員やその家族の感染などで常に50~60人が出勤できない事態が続き、マンパワーが不足。
さらに、コロナの治療を終えた高齢患者などの受け入れ先が無く、この病院の一般病棟で受け入れざるを得ない状況となっていて、一般診療の制限に拍車がかかっているといいます。

愛媛県立中央病院 森高智典 感染制御部長
「2年半これをやっていますけどいつ終わるか収束が見えない中でかなり疲労といいますか…」

これまでも繰り返されてきた医療現場へのしわ寄せ。果たして、政府の方針通り、強い行動制限をかけないままこの“第7波”を乗り越えることができるのでしょうか。