電信柱が倒れる? 記録的暴風や大雨のおそれも
元競泳日本代表 松田丈志さん:
今回の台風は予報が出てから、基本的にどんどん進行が遅くなっていますよね。これは今後、このまま遅くなり続けるのでしょうか。それとも、近づいてきたら速くなるのでしょうか。
広瀬駿 気象予報士:
どちらもありうる状況で、本当に予想が絞りきれていないということがいえると思います。
週末、どの地域に台風が近づいてくるのかはいろいろな可能性があるので、まだ予定はキャンセルしなくていいです。おそらく28日、29日ぐらいにどんどん予想が定まってくるので、最新情報の確認をしてもらえたらと思います。
井上キャスター:
偏西風に乗って速くなることもありうる状況ですよね。
広瀬駿 気象予報士:
しかし、東の高気圧に「こっち来るな」とバリアされるような形になって、ゆっくりゆっくりのまま進んでくる可能性もあります。

今は、台風から離れた東北や北海道でも雨が降っていますし、静岡県や神奈川県の西部にも発達した雨雲がかかり続けています。神奈川県の西部は降水量が3時間でだいたい140~150ミリなので、災害につながりうる、かなり危険な状況になっている地域もあります。
井上キャスター:
先ほどの“ちぎれた雲”と考えていいですか?
広瀬駿 気象予報士:
その一部が来ています。本当に風がぶつかるところというのは、ちょうど静岡県や神奈川県の南のあたりなので、次々と雨雲がやってくる状況がまだ続くとみています。

台風の最新状況をみると、暴風域、風速25メートル以上の風が吹くおそれがあるエリアに、奄美地方の一部が入っています。この先も非常に強い勢力のまま28日、29日と、九州のかなり近いところまで来るおそれがあります。
奄美は最大瞬間風速70メートル、九州南部でも65メートルという予想が出ているので、電信柱がバタバタ倒れてもおかしくないぐらいの暴風に見舞われるかもしれません。
その先も、先ほどお伝えしたように、台風はゆっくりゆっくりしたスピードで動きそうです。人がジョギングしているぐらいのペース、フルマラソンを4時間ぐらいかかるぐらいのスピードで台風がやってくると思ってください。

となると、やはり雨も続いてしまいそうです。28日にかけての雨の予想では、台風本体の影響は奄美地方や、鹿児島の屋久島、種子島のあたりに出ます。

しかし、そこから離れていても九州、四国、近畿、そして東海や関東の山地を中心に、断続的に激しい雨が降るおそれがあります。自治体からの避難情報に注意してください。
台風が接近すると外出が危険な状況になってくるので、大雨の前に避難をするほか、数日分の非常食があるかなど、できる範囲で確認してもらえたらなと思います。

【予想雨量】
28日にかけて、多いところだと九州南部は300ミリ。
29日の昼にかけて新たに500ミリ。
30日にかけては600ミリ。
九州南部だけで1000ミリは優に超してしまう予想です。
普段大雨に慣れている地域でも、大規模な災害につながりうるような大雨となる危険があります。
元競泳日本代表 松田丈志さん:
今まで土砂崩れなどがなかった場所で起こる可能性もあると思いますし、特に九州南部の方は雨量が多いので気をつけてほしいです。
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<プロフィール>
気象予報士 広瀬駿さん
1989年愛媛県生まれ
気象予報士・防災士・健康気象アドバイザー
横浜国立大学大学院で台風を研究
松田丈志さん
元競泳日本代表 五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身 3児の父