次世代路面電車 地方活性化のカギに?

藤森祥平キャスター:
利用者が予測を上回っているという宇都宮のLRT、ピーク時には6分間隔で運行していますが、都市交通計画に詳しい早稲田大学の森本章倫教授は「時間を気にせず乗れる都心レベルの利便性がある」として、日常生活の足になっているのではないかということです。
他の手段と比べると…

地下鉄 大量輸送:◎ コスト:高 定時運行:〇
バス 大量輸送:△ コスト:低 定時運行:△
LRT 大量輸送:〇 コスト:中 定時運行:〇
▼地下鉄は大量輸送・定時運行できるもののコストは高く、▼バスはコストは抑えられるが、地下鉄に比べれる大量輸送はできない、定時運行にも渋滞などの影響が出やすい…ということですが、間を取ったのがLRTです。バスよりも大量輸送でき、地下鉄ほどコストがかからないというメリットがあります。
宇都宮市がLRTを導入する理由として、将来的に脱・クルマを目指しているということがあります。
沿線を利用している地域のデータをみてみると、ライフスタイルが変わったことが分かったようです。

▼車の利用
1日平均あたり約3800台分の利用者がLRTに
▼外出率
開業前75.7%→81.4%
▼1日の平均歩数(40歳以上)
349歩増加(+7%)
小川彩佳キャスター:
7%は大きいですね。LRTが生活・健康にも影響を与えているかもしれないということですね。

キニマンス塚本ニキさん:
ヨーロッパの公共交通インフラが充実している街では、人々の幸福度も上がると報告している研究もあって、暮らしやすさが高まるにつれ、街が豊かになるということでしょうか。
環境問題が話題になっている中、脱炭素化、CO2削減という点でもLRTはすごく良いモデルになると思います。

藤森キャスター:
地下鉄よりコストが低いとはいえ、宇都宮のLRTの総事業費は約684億円です。
半分は国の補助金ですが、残りは宇都宮市と芳賀町が負担し、20年かけて返済するといい、宇都宮市は年間最大13億円支払うということです。
地元関係者によると、今は盛り上がっていて目に見えて効果もありますが、これが2年後3年後、どのように経済効果が続くのか。周辺地域も含めて、2次交通・3次交通と利用が盛んになるようにしたいが、具体案ははっきりしない状態だといいます。
小川キャスター:
那覇や和歌山など他の自治体でもLRTの導入が検討されているということです。税金も使われるということで、宇都宮でも賛否がわかれる形で始まりました。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
東京一極集中を緩和して、地方の中核都市に頑張ってもらおうというのは国の政策、CO2を減らそうというのも国の政策です。
高齢者に免許の返納を検討してほしいというのも国全体の方針なので、もう少し国が前面に出て補助を多くするとか、地域によってやり方があると思うので、アドバイスするなどしてもいいように思います。
バリアフリーで、お年寄りが電車に乗って買い物に行く、お医者さんに行くということが楽になると、住みやすさは増してきますよね。