「検定」で何を問うのか?
「スポーツハラスメントZERO協会」による第1回の「検定」は、今年の秋の実施を目指して動いているのですが、その例題として次のような問題を、ホームページに上げています。
~大切にされたい。大切なものを奪われたくない。そんな「あたりまえ」を、私たちにもたらしてくれるものは何でしょうか?あなたの考えに最も近いものを教えてください~
(1)「自由」
(2)「社会的地位」
(3)「富」
(4)「人権」
「スポーツハラスメントZERO協会」の回答としては、4番の「人権」です。
これまで“ハラスメント”に関しての教育では、“ハラスメント”とは何か?からスタートしたのですが、そもそも根本的な“人権”というものに対しての意識がないと、知識が入っていかないだろう。まずは“人権”とは何か?から積み上げていこうというわけです。
その上で、「検定」に仮に合格したとしても、1年に2~3回程度は、「協会」で用意するオンライン講座を受けたり、3年後には“リフレッシュ”という形で、「検定」を受け直す体制になっています。
“スポハラ”に関しての考え方は日々アップデートされているので、それをちゃんと追っていけるようにして欲しいというわけです。
このように「人権の尊重」を中心に据える「スポーツハラスメントZERO協会」は活動の指針に、「3つの心がまえ」を掲げています。
一般社団法人スポーツハラスメントZERO協会 代表 谷口真由美さん
「大事にしている私たちの指針がありまして、一つ目が『裁かない』なんですね。私たちは別に裁判所でなければ捜査機関でもないので…。もう一つ、『居場所になりたい』というのがあるんですけど、皆様の居場所になれるような団体でありたいと思っています。3つある指針のもう一つが、『誰もが被害者にも加害者にもなる』。私たちがアプローチするのは、『あなたが悪い』ではなくて『構造が悪い』という、構造のアプローチなんですね」
1つ目の「裁かない」。
加害者を「裁かない」、でも擁護するというわけではない。
きちんと自分で考えてもらって、行動変容を起こしてもらいたいという考えによります。
次に挙げた「居場所になりたい」。
スポハラに苦しんでいる人、傷付いている人から、加害者になってしまったけれど、やり直したい人まで寄り添って居場所になるということです。
最後の「誰もが被害者にも加害者にもなりうる」。
「加害者」はかつての「被害者」だったかも知れず、また「被害者」が「加害者」になってしまうこともあるわけで、その人が「良い」「悪い」ではなく、なぜ起こるのか?その「構造」にアプローチしていこうということです。