宮崎県内の自殺死亡率は全国と比べて高い状態が続いています。
昨年度の宮崎県内の自殺者数は222人で人口10万人あたりの自殺死亡率は21.5で全国ワースト2位となっています。なぜ自殺を選んでしまうのか、その背景や宮崎県内の自殺予防の取り組みを取材しました。

こちらは宮崎県内の自殺者数を年代別にみたグラフ。

最も多いのは70代、そして80代の高齢者で次いで、50代、60代も多くなっています。
精神科医の高宮眞樹医師はコロナ禍に感じた孤独が今も影響していると指摘します。

(高宮病院・高宮眞樹医師)
「この3年くらい宮崎含めて全国的に自殺者数がわずかでも増加しているのはコロナによるいろんな仕事における問題が噴き出しているのかなと思う。ソーシャルディスタンスといって体の距離だけでなく心の距離まで取らされた時期がありましたからそういう孤立・孤独が高齢者の自殺にもつながっていくんじゃないでしょうか」
いのちの電話
「(電話の音)はい、いのちの電話です」
宮崎県では2019年に開設された「いのちの電話」。

自殺予防を目的に、匿名で悩み相談に応じるもので、相談員が毎日さまざまな電話に対応しています。
「辛いことが次々と押し寄せてきてもう疲れた」
「どうしても死にたいという気持ちがなくならなくて。学校が嫌だ」
「消えてしまいたいという気持ちが抑えられない」

去年、窓口には3500件を超える相談が寄せられました。
高宮医師は周囲への相談が一つのストッパーになると呼びかけます。
(高宮病院・高宮医師)
「最後はやっぱり相談しないといけない。死にたいと思う気持ちをね、相談しなくちゃいけない。(周りは)相談されたらそれを受け止めてあげるっていうのは大事かな」

今の時期だと夏休み明けの子どもたちの自殺も懸念事項の一つです。