■根本問題は電子カルテとハーシスが連動していない点
各自治体は賛成・反対・保留と様々な声がありますが、小池知事は、全数把握をこれからも見直さずやっていく方針です。その中で24日、「根本問題は、電子カルテとハーシスが連動していない点」と述べています。ハーシスに対しても公的資金をかなり入れているにもかかわらず、本当に使い勝手が悪いということ。
ハーシスは、2020年5月に導入されました。国や保健所、病院が患者さんの症状や行動歴などの情報を電子入力で一元管理し、デジタル上で共有することが可能になりました。
メリットは、陽性者などへのサポートが充実する、あとは的確な対策立案のサポートになることです。しかし、ハーシスは入力項目が大変多いので、医療従事者の皆さんの負担になるということで、一つ変わったのが8月4日でした。
前厚労大臣の後藤さんは「65歳以上および65歳未満で重症化リスクのあるもの以外の患者の届け出時の記載事項をさらに削減いたします」と述べました。
これまで入力項目は約120項目ありまして、1人の患者さんにおいて、相当な時間がかかっていました。これを削減して効率化を進めましょうと、重症化リスクの低い人などに限っては7項目にしました。これによって、まだ回っていきやすいと思われていましたが、根本的な使い勝手の悪さは解消されていないというところです。
■二度手間三度手間で医療に集中できず・・・
ハーシスでは患者さんの情報が国、保健所、病院で一元管理されています。例えば、少し症状が悪化した患者さんが一つの病院から救急搬送されて大学病院に行ったとします。そうなると、救急搬送された病院では、ハーシスにすぐアクセスしたいのですが、アクセスする際にまず保健所を特定して、情報開示の依頼を行います。そのためには、IDなどを新たに発行してもらう必要があります。ただ患者さんの情報にアクセスできても、ここまでは新型コロナウイルスに関する情報なので、その前にかかりつけ医がどんなカルテを書いているかは、また別にカルテ情報を取り寄せなければならな。つまり、カルテ情報とハーシスの情報が紐づいていませんので、二度手間三度手間になって医療に集中できないのではないかと。
国際医療福祉大学の松本先生も「ハーシスと電子カルテが連携していれば、全数把握も可能では」とそもそも論を指摘されているんです。
■“全数把握” 理想の形とは?

ホラン千秋キャスター:
松本さん、確かに説明を聞いているだけでも、かなり複雑な作業があることがわかりますね。
国際医療福祉大学 松本哲哉教授:
うまく連携させて、単にボタンを押せば情報が保健所にも届けられるとなればありがたいです。しかし、システム入力の手間は、人がそれぞれ情報を見ながらやらなければいけないことなので、連携できていないということが、このような状況を産んでます。IT化といろんなところで言われているわけですが、肝心なところがうまく連携されていないので、これに関しては改善していただきたいと思います。
ホランキャスター:
連携させることは、大変なハードルがあるものなのでしょうか?
国際医療福祉大学 松本教授:
電子カルテとハーシス、データがうまく移る仕組みを作ればいいんですね。本当はやれたはずなのかもしれませんが、手付かずのままずっと継続して、今の状態に至っている。
ホランキャスター:
一番理想的な形はどういうものになるんでしょうか?
国際医療福祉大学 松本教授:
自分は登録もされていない、でも重症化リスクの病気を持っていたりと宙ぶらりんの人たちがそれなりにいると思います。そういう人たちもある程度ちゃんと把握できるような仕組みを作らなければいけませんので、今健康フォローアップセンターというのがありますが、これだけで本当に十分そういう人たちのフォローができるのかどうか。やるのであれば、そういった人たちもちゃんとフォローできるような充実を図るべきだと思います。
井上キャスター:
松本先生、全数把握に関しては、無症状者がこれだけいるとそもそも意味があるのだろうかという意見もあります。それについてはどうお答えになりますか?
国際医療福祉大学 松本教授:
無症状の人たちは、基本的には症状が出ない限りは自分をわかっていないわけですから、その人たちまでわざわざ広げて、入力をする負担は必要ないと思います。ただ、検査も受けて症状がある人たちの中には重症化する人たちが一部含まれますので、そういう人たちに対してしっかりフォローできる仕組みが必要なんだろうと思います。














