生産者「変化に対応できる作物を」

阿蘇地域で米を生産している佐藤健介(さとう けんすけ)さんは、猛暑に対応するため肥料を与えたり水をこまめにかけたりして例年以上に管理に気を配っています。ただ、対策にも限度があるようです。

米生産者 佐藤健介さん「取り巻く環境は目まぐるしいですね。去年おととし、毎年違う。温暖化や高温の気候に対して対応できる作物に取り掛からなくちゃいけない時期が近いのかなと思う」

暑さで米粒に「空間」が

猛暑が米にどのような影響を及ぼすのか?米の品種育成や栽培技術の開発を行う熊本県農業研究センターに聞きました。

県農業研究センター農産園芸研究室 伏水邦彦室長「従来の品種は暑さに弱い。穂が出た後にかなり高温になるので、『白未熟』と言って米粒の中に空間ができて、白く濁った感じになってしまう。白未熟が出てしまうと、品質の低下に直結する」

米粒の中に空間ができる『白未熟』

そのため、高温に強い品種の開発が進んでいます。県内で生産されているのが『くまさんの輝き』です。

伏水室長「もちもちした粘りのでる美味しいお米。冷めてもおいしい」

しかし、暑さによる米の影響は他にもあります。

伏水室長「高温の影響で、病害虫(イネカメムシなど)の発生も今後影響が出てくるかもしれない。最近は越冬しちゃうんですよね、虫が。昔と比べて害虫被害が多くなっている」

イネカメムシ