「フェーン現象」と「放射冷却の妨げ」

その原因と考えられるのが、今回の台風9号による、「フェーン現象」と「放射冷却の妨げ」です。

フェーンとは、風が山を越えることで気温が上がる現象です。台風の周りを回る暖かく湿った反時計回りの風により、九州では南風となり、北部沿岸の都市の気温が上がりやすくなります。

さらに、この期間中の夜は、台風の周りの雲が九州にかかりやすくなるため、地表の熱が上空へ逃げる「放射冷却」が妨げられ、翌日の朝の気温が高いままとなります。

このような理由で、九州北部沿岸の福岡市での最低気温予報は30℃が3日連続、他にも期間中、北九州市や糸島市や下関市などで29℃という最低気温の予報となっています。

日本記録は1年前新潟・糸魚川の31・4℃

実は、「高い最低気温」の日本記録は、新潟県糸魚川で2023年8月に観測した31・4℃。これも、台風が要因の一つでした。

就寝中の熱中症に警戒を

台風9号、いまのところ雨風、高波などでは、九州などに大きな影響はありませんが、21日、22日、23日と記録的な暑い朝となる、非常に過酷な熱帯夜をもたらすかもしれません。

眠っている間にも熱中症になることがあります。寝る30分前に水分補給し、就寝中にもエアコンなどを活用し、熱中症対策をしっかり行ってください。

RKB毎日放送 気象予報士 龍山康朗