障害者権利条約の実現に向けて
2人の父親のあと登壇した、東京家政大学教授の田中恵美子さんはまず、日本が批准している「障害者権利条約」の19条にふれました。
「障害がない人と平等に、生活の場所を選ぶ機会があることで、地域社会で暮らす平等の権利を持つ。そうなるよう、地域社会から排除されないよう、効果的、適当な措置をとる」ということだと説明しました。
田中さんは、日本はまだ不十分であることを指摘されていることを説明したうえで、これまで会ってきた、知的障害のある人たちが、自立した生活を試み、実現している様々な事例を、具体的に紹介しました。
また、現実には、様々な課題、壁があり、あきらめかけてしまっている人や家族がいる一方で、当事者、支援者、それに押された行政が頑張り、協力して、制度の柔軟な運用や、先に進めた、各地の事例を紹介し、「地域で暮らすっていうことを諦めてしまったらもうそこで、先はないんです。地域で暮らせない今の状況をどう変えていくのかっていう発想がないと、やっぱり変わっていかないだろうと思います。どんな社会になったらいいかっていうことを構想していくこと。そして、前に進む人には、もっと前に前に行ってもらって、制度を変えてくっていうことをやっぱりみんなでやっていかないと、この先がないのかなっていう風には思っています」と話しました。
最後に、国や自治体は必要な人に届くよう事業者やヘルパーを増やす対策を講じ、対象者を拡大する制度変更も必要だと指摘したうえで「これからもぜひ、いろんな方がつながっていって、制度の変更を求めていくということが必要だと思います」とまとめました。
(TBSラジオ「人権TODAY」担当:崎山敏也)














