「お客さんというより金づる」別の詐欺グループにいた人物を取材

 一体、どのような人物が詐欺に手を染めているのか?取材班は同様の詐欺をはたらくグループにいた人物に接触することができた。今回、摘発されたのとは別の詐欺グループにいた翔貴さん(30代・仮名)。

 (翔貴さん ※仮名)「SNSを使ってモノを売る、サービスを売りますと。月収50万円いく人もいれば100万円いく人もいるし、やればやっただけ稼げるよと」

 5年前、求人サイトで見つけた「WEBマーケティングを学べる」という広告会社に転職した。オフィスに入ると待っていたのは…

 (翔貴さん)「初日出勤したときにまず渡されたマニュアルがあるんですけど、Twitter(現:X)のアカウントが凍結したときの対策マニュアル。初日からもうすでに違和感を感じました」
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 翔貴さんは女性になりすましたインスタグラムを運用。インターネット上で探した他人の高級ブランド品や旅行の写真などを無断で投稿し、だます人を集めるいわゆる「打ち子」だった。

 (翔貴さん)「(打ち子は)35、6人くらいおりまして、男女比で言うと圧倒的に男性が多い。自分の稼いだ分が自分の給料に反映されるのでピリピリしていた感じはありました。お客さんというより金づるみたいな」

 グループの月の売り上げは8000万円ほどにのぼり、主なターゲットは主婦だったという。

 (翔貴さん)「例えば主婦さんが好みそうなスターバックスコーヒーの新作きょう飲みに行きましたよと。その投稿の影にしれっとブランドのバッグ置いてあって優雅な午後を過ごしてますみたいな。自分もシングルマザーで苦労したみたいな設定のキャラクターにしたりもありました」

 次第に罪悪感を抱いた翔貴さんは入社から8か月で会社を辞めた。