9月27日に行われる安倍元総理の「国葬」の経費について、政府は約2.5億円を今年度の予備費から支出することを閣議決定しました。経費は会場代や設営費に使われる予定ですが、周辺の警備費用などは予備費の枠外だということです。内閣府は国葬費用の総額について、「全体像を公表する予定はない」としています。
費用の妥当性や学校などでの「黙とう」をどうするかなどを考えます。
■安倍元総理「国葬」2.5億円 参列者は最大6000人

ホラン千秋キャスター:
9月27日に日本武道館で行われる安倍元総理の国葬の経費について、その内訳などがわかってきました。政府の入札情報によると、午後2時から2時間程度行われ、参列者は最大6000人程の見込みで、そのうち海外の要人などは1000人程ということです。

8月26日に閣議決定されたのが、国葬の経費2億4940万円を今年度予備費から支出するということです。では、いったい何にどれくらい使われるのかというのを見ていきます。
日本武道館で行うのでその会場代、送迎のバスなどを借り上げる料金で約3000万円。そして会場設営費などで約2.1億円かかるということです。

先ほどもお伝えした参列者の規模について、松野博一官房長官が「参列者として最大6000人程度の規模が見込まれる」と言及していて、▼参列者の送迎バス(100台以上)▼出入口の警備員と金属探知機24台▼同時通訳の手配など、こういったところにお金がかかるという説明がありました。
この国葬について過去の例を見てみましょう。2020年10月の中曽根元総理の合同葬では参列者が600人。今回の安倍元総理の国葬で予定されている人数の10分の1くらいです。ただ費用を比べると、今回の場合は約5700万円増えています。
過去の政府と自民党の合同葬などの例を見ていくと、大体1億円から2億円の間で葬儀は執り行われているということです。

では、約2.5億円で、全てを賄えるのかというと、そうではないようです。この約2.5億円は、国葬費用の「一部」だということです。
鈴木俊一財務大臣は、「国内外から要人が参列されるこれらの経費につきましては、警察庁や外務省において『通常発生する業務の延長』ということで既定予算で対応していくことになります」と話しました。(26日閣議後会見)
ですので、2.5億円の中に含まれない経費というのもが、他にたくさんあるということです。海外要人の対応や会場周辺の警備など他の省庁が管轄しているところでかかるお金は、今回閣議決定された予備費の約2.5億円の枠外ということになります。

最終的にいくらかかったかというのは私達知ることができるのか。内閣府によると「現時点で国葬関連の費用の全体像を公表する予定はない」と話しています。
井上貴博キャスター:
海外の要人が一堂に会するので、その意味では弔問外交としては大変有意義であり、むしろ安くつくんじゃないかという意見があります。確かにその側面も理解できるんですけど、他の政策は遅々として進まないのに、この国葬の話だけは議論もなくどんどんやる前提で進んでいく。どこか政府や党の傲慢さというのを感じてしまいます。
歴史・時代小説家 今村翔吾さん:
僕も国葬の是非以前に、多分そこが一番の問題なんだろうなと思っています。確かに、外交のためにこれはかなり有利だろうと、安上がりだろうと、それはそうかもしれないけれど、だからと言って、こんなにズンズン決めていっていいものなのかというのはまた別の問題じゃないですか。やっぱり、ここが理解されないから、世論が真っ二つに割れてるんじゃないかなというのは思います。