■「トークンだけでスポンサー収入の2.5倍」大型バスや外国人選手の獲得も


横浜市のエスペランサSC。J1から数えて「5部」に相当する「関東サッカーリーグ1部」に所属し、Jリーグ昇格を目指しています。この日は、トークン保有者とその家族をグラウンドに招き、選手との交流会が行われました。

選手からサインをもらった小学5年生の長谷川大地くん。あこがれの選手を前に緊張しているようです。


小学5年 長谷川大地くん
「どうやったらドリブルうまくなるんですか?」

エスペランサSC 北野智貴選手
「今の年齢の時にいっぱいボール触って、いっぱい相手をかわす練習をすることだと思います」

直にアドバイスを受けることができました。こうしたトークン保有者との接点を密にするワケ、それはJ1のように潤沢な資金力がない、という懐事情にあります。


エスペランサSC 宮﨑亮 専務
「トークンだけでスポンサー収入の2.5倍ぐらいの支援を受けています。トータルすると4000万円近い金額になろうとしてます」


今までは遠征の際、マイクロバスで移動していましたが、トークンで調達した資金で大型バスをおよそ1000万円で購入。また、選手が怪我をしたときに治療する医療機器も1000万円かけて買いそろえました。さらに…

スペインのビジャレアルなど、ビッククラブに所属していた外国人選手を獲得。コロナ禍でスポンサー収入が落ちる中、知名度が低く資金調達が難しい小規模のクラブにとって、トークンはクラブ運営を支える存在となりつつあるのです。


■“物言う”トークンホルダー 新しい応援の形


そのエスペランサSCの公式戦に大地くんの姿がありました。父親の正佳さんとほぼ毎週欠かすことなく観戦するという、熱狂ぶりです。大地くんは最前列まで乗り出して選手に声援を送りますが、結果は0対3の完敗でした。

Q.これでクラブトークン手放すことは?


長谷川正佳さん
「それはないですね。1試合でどうだったかとかっていうんじゃなくて、かなり長い目で見て、そのクラブの成長っていうものに期待してる」

長谷川大地くん
「今後はもっと練習とか、いろいろ戦術とかを考えて、次節の試合に移していきたいと思います」

まるで監督のようなコメント。というのもエスペランサSCのトークンを保有していると、チームの戦術にも意見を述べられるというのです。


トークン保有者が集まったこの日。クラブ運営会社の専務、コーチらがテーブルを囲みました。小学生の大地くんは参加できませんが、代わって父親の正佳さんが、負けた試合について振り返ります。


長谷川正佳さん
「開幕戦と2試合目、レッドカード1枚ずつ、不幸にも出ちゃった。チームとしては少し抑えようとかそういう話はあったんですか?」


グスタボ コーチ兼代表
「僕たちは一切していないです。でも選手たちで、自分たちで抑えるように自然になっていますよね」

レッドカードが出た後、選手のプレーが消極的になっていったと感じました。

長谷川正佳さん
「僕はいちサポーターとしては、今のままのカラーを貫いて欲しいなと思いますね」

チーム側と直接やりとりができるのも、トークンを保有しているからこそ。新しい応援の形として、トークンは期待され始めています。


エスペランサSC 宮﨑亮 専務
「トークンってしっかり企画を練って、価格を上げる意思がないとどうしても下がっていってしまう。クラブ側の企画力だと思うんですよね。そこに重点を置いてエスペランサは仕掛けていきたいと思っています」