今後30年以内に70~80%の確率で発生 着実にたまる「ひずみ」

今後30年以内に70~80%、40年以内なら90%程度の確率で起こるとされる「南海トラフ地震」…。マグニチュード8から9の「巨大地震」によって最悪のケースの場合、全国で死者は32万人以上に達するとされています。

広島県が東日本大震災のあとにまとめた被害想定では、最悪のシナリオで、県内でも1万5000人近くが命を落とすおそれがあるとされています。西日本は広く壊滅的な被害を受ける想定です。

スマートホンやカーナビなどの位置情報にも使われるGPSのデータを使い、地盤の動きをミリ単位で解析することで、地震を引き起こす「ひずみ」がどこにたまりやすいのかを研究している京都大学防災研究所の西村卓也教授。南海トラフについて次のように指摘しています。

京都大学防災研究所 西村卓也 教授
「どんどん次の地震に向けて着実にひずみが南海トラフ沿いに蓄えられつつある。
東日本でも、やはり東日本大震災の前に解析が行われていて、岩手県沖から福島県沖にまで、かなり広い領域にがっちりひずみをためているのはわかっていた。ただそれが一度に割れるとは思っていなかった。
南海トラフについても最悪としてはこれが全部一度に割れるということも考えておいた方がいい。」