「『第3の核時代』というのは欧米の見方」
核を保有する国が増え、それぞれが様々な主張をする時代をどうまとめるのかを世界中の研究者が考え中だというのは核軍備管理を中心に安全保障を研究する戸崎洋史准教授だ。

広島大学平和研究センター 戸崎洋史 准教授
「アメリカ・ロシア・中国の関係、そこに地域レベルの三角形がある。(東アジアでは)北朝鮮が絡む。南アジアではパキスタン・インド・中国。ヨーロッパではロシア・イギリス・フランス。様々なところで三角形ができて、どこを抑えればいいのか…。こちらを抑えればまたどこかに火種が…。これをどのようにマネージすればいいのか…。冷戦の時はアメリカとソ連でバーンと抑えればよかった…」
とても解ける方程式ではない。混沌とする『第3の核時代』。
世界の核拡散の現状を列挙しておこう。
ロシア…5580発
アメリカ…5044発
中国…500発
フランス…290発
イギリス…225発
インド…172発
パキスタン…170発
イスラエル…90発
数の上ではインドはイギリス・フランスよりも少ないがフッター教授が第4極として挙げているのは何故か?

笹川平和財団 小原凡司 上席フェロー
「やはりインドは経済力を含む国力というものを考えると、今後核兵器を増強する余地がまだまだあるということです。(中略)ただ『第3の核時代』というのは欧米の見方かと…。
安定していたものが変わると思うから『第3の…』なんで、中国なんかは一貫して核の増強を目指してきた。1960年に開発をやるんだと決めてから、その目標を変えたことはない」
核所有のアクターが世界で増えていると言っても中国だけが抜きんでて増大しているのが現実だ。