コロナ禍の生活が続く中で、体の異変を訴える人が増えています。長時間のスマホ利用が原因で起こる「スマホ顎関節症」。最近、その原因に「マスク生活の長期化」も指摘されています。さらに、死亡者が急増しているのに「重症者」は少ないまま…ここには、重症者にカウントされない「重症者」がいると医師は指摘します。このカウントされない重症者の危険性を解説します。

■長時間のマスクが原因?“スマホ顎関節症”とは?

上村彩子キャスター:
「スマホ顎関節症」ですが、長引くマスク生活の影響も見られるといいます。

日本顎関節学会 宮本日出医師
「マスク生活が長くなると、それが当たり前になり、顎関節症が慢性化しても気づかない」

マスクを着用している時間が長いと、会話が減って無表情でいることが増え、顎の筋肉・関節の使用頻度が減ることで、顎本来の機能が低下する方が多いというんです。


その他にも、マスクによるトラブルを見てみましょう。
▼肩こり▼首の痛み▼頭痛▼ドライアイなど、皆さんも思い当たるものがあるかもしれません。

顎関節症は気づきにくいということですが、どのように気づけばいいのでしょうか。


日本顎関節学会の宮本日出医師によると「口を開けた際に痛みがある、指3本分開かないなど続く場合は、顎関節症になっているおそれもある」ということで、早めの受診を呼びかけています。

ホラン千秋キャスター:
顎関節症の方は結構いらっしゃるんですか?

国際医療福祉大学 松本哲哉 主任教授:
マスクが原因で、顎関節症というのは私はあんまり聞いたことないですけれども。少なくとも、それ以外の肩こりや首の痛みや頭痛などそういったものに関しては、確かにそれなりに可能性としてあります。
やっぱりマスクは取れるときは取って、無理にずっと1人でいるときにずっとつけたりという場合もあったりするかもしれません。そういったときに外せばいいんじゃないかと思います。

■重症者数にはいらない重症者が急増 脱水症から症状悪化も…

上村キャスター:
では一方で、新型コロナウイルスの状況を見ていきましょう。
8月25日に全国で確認された新規陽性者数は、▼22万955人(午後6時時点)。8月24日の重症者数は、前日と比べ1人増えて▼637人でした。

重症者数に関してNスタにも度々ご出演しているインターパーク倉持呼吸器内科の倉持仁院長によると、「重症者数にカウントされていない重症の患者が今急増している」と言います。


今、新型コロナウイルスに感染した患者さんは症状の度合いを、▼軽症▼中等症I▼中等症II▼重症までの4つの段階に分類されます。
重症度は、血中の酸素飽和度や呼吸困難の状況を中心に分類され、いわば“呼吸器の状況”が基準になっているわけです。

倉持院長に症例についてお聞きしたところ、「最近肺炎の症例はごく少数。いま急増しているのは脱水症からの症状悪化」だとしています。


では、どう悪化していくんでしょうか?倉持院長にBA.5での悪化していく主な例をお聞きしました。

感染後に脱水症状になると体内の血液が減ります。そうすると、正常な血液の流れも滞って体力が一気に落ちてしまうそうです。
さらに衰弱すると、腎不全や誤嚥性肺炎、ひいては心不全や肝不全なども併発する「多臓器不全」に陥って亡くなるケースも多いといいます。

ただ、こうした生命の危機に瀕している患者さんであっても、今の重症者の基準では「重症者」にカウントされない場合もあるというんです。

では、重症者の基準となっているECMO(人工肺)は今どうなっているのでしょうか?

日本ECMOnet 竹田晋浩理事長
「新型コロナウイルスによる肺炎の症例が減り、ECMO(人工肺)はごく一部しか使用していない」


このような状況で、倉持院長にBA.5が主流になっている中でどうしたらいいのか、お聞きしました。

「重症の定義を変えないと早急に治療が必要な人が病院にたどり着かない」ケースがあるのではないか、ということでした。