専門家「名前が暴露されるということは、制度自体を揺るがす」
実は、元幹部は処分の1か月前に、県の公益通報制度を利用し、一連の疑惑を内部通報していました。
一方で県は、元幹部が内部通報を行う前に文書を配布しているため、保護の対象にはならないと判断。
また、MBSが行った情報公開請求では、県の調査に協力した弁護士が文書を「居酒屋などで聞いた単なる噂話で作成した」などと指摘していたことが分かりました。
制度に詳しい専門家はこう話します。
(淑徳大学 日野勝吾教授)「まず、内部通報の窓口で受理している以上は、この手続きの流れで調査すべきだったわけです。完全な誹謗中傷であれば処分に値するかもしれませんが、真実相当性もあるということであれば、そこはやはり、人事の対応は待った方が良いし、そもそも、人事上の処分はできなかったと思います」
また、元幹部が3月に報道機関などに対して行った匿名の外部通報の時点で、公益通報に該当する可能性があり、県が行った“告発者さがし”にも違法性があるといいます。
(淑徳大学 日野勝吾教授)「しっかりと通報者・告発者を保護するという観点が必要。やはり声を出す側からすれば、非常に勇気が要ることですから、名前が暴露されるということは、制度自体を揺るがす問題だと思っています」