コロナ禍で人気が高まる、キャンプなどのアウトドアです。ブームが続く中、岡山県の企業がキャンプ用品を開発。製作しているのは、ちょっと意外な企業です。


(坂井亮太キャスター リポート)
「木のぬくもりを感じられるライトや、こちらのコースターなど、様々なキャンプ用品を開発しているこちらの会社。実は普段は椅子など製作している老舗の家具屋なんです」


岡山市北区平野にある建具店・吉備木工です。創業からおよそ90年にわたり、スギやヒノキなどを使い、「ドア」や「引き戸の建具」や「椅子」などの家具を製作してきました。


(吉備木工クリエイター 川崎至 さん)
「うちは元々『建具屋』として長年やってきておりますけど、キャンプ用品の製作と共通する木工加工の機械はありますので。新しい挑戦をしていかないと、新しい仕事はもらえませんので」


新型コロナの感染拡大などを背景に、世界的に木材の供給が不足し価格が高騰する『ウッドショック』が発生。吉備木工でも、コロナ禍前の2/3にまで売上が減少したといいます。


かつてない危機の中、新たに見出した活路が、コロナ禍で成長市場となっているアウトドア業界でした。


(吉備木工クリエイター 川崎至 さん)
「こちらは『ランプシェード』になりまして。こういった『組子』ですよね。非常に精巧な技術。木材加工が可能な職人は全国にいらっしゃるとは思うが、そこまでたくさんはいない」


昨年から商品の試行錯誤を続け5点を製作。熟練の職人が手がけた組子細工などの「和」のキャンプ用品が人気を集めています。

長年にわたり木材と向き合い続けてきた老舗ならではの商品も…。


(吉備木工クリエイター 川崎至 さん)
「こちらが『木製のペグ=テント』などを張るときに用いる杭、になっております。主にウッドデッキだったりとかに使用される、非常に硬い強靭な木材になっておりまして」


「材種ごとで「向き」「不向き」がありますので。そういう部分を見極められるのも、長年木工に携わってきた人間にしかできないことなのかなと思います」


右も左も分からないアウトドア業界への参入。苦労も多いといいますが、「木」が持つ魅力や・職人の高い技術力を知ってもらうきっかけにもなると期待しています。


(吉備木工クリエイター 川崎至 さん)
「木を用いることで、より『自然との一体感・調和』というのが、ご使用になれば実感いただけると思います」


培った「匠の技術」で挑む新たな分野。吉備木工のキャンプ用品は、クラウドファンディングで9月14日までに支援をすることで購入できるということです。