手足が長い方が有利 日本の強さは長さではなくチームワーク

ホランキャスター:
また日本の競技人口とメダル獲得の比率で見ると、今大会はかなりの確度で結果を出しています。

パナソニック社外取締役 ハロルド・ジョージ・メイさん:
背が高い方が有利になるのかなと思っていましたら、日本人選手はスピードがすごかった。
これは技術だけではなく、スピードが(他国の選手よりも)上回っていたということですか?

ロンドン五輪 銀メダリスト 三宅 諒さん:
フェンシングは基本的に手と足が長いと有利です。長い人はフェンシングに向いています。

しかし、今回金メダルを獲得した加納虹輝選手や、フルーレ団体 金メダルの飯村一輝選手は身長がそこまで高くはありません。そこを技術力と剣を使いながらひたむきに突き詰めて、今回の結果に至っているのです。

井上キャスター:
日本人選手は手足の長さだけではない要素があるということですか?

ロンドン五輪 銀メダリスト 三宅 諒さん:
個人の技術に関しては、個人差があるのですが、団体戦は日本人に向いているなと思います。
団体戦は45点を取り合うのですが、選手1人1人が交代していくことによって求められる役割が流動的に変わっていきます。

自分勝手に点数を取りたいだけ取るのは上手くいきません。大事なのはチームワークです。「この場面リスクを取ってでも攻めなきゃいけないけどいい?」と振り返って、後ろにいる選手が「いいよ」っていうようなマインドが日本人には向いていると思います。

過去のオリンピック、ロンドンや東京でも団体でメダルを獲得しました。今後も団体戦の戦い方を課題にしてより強くなっていくのではないでしょうか。

井上キャスター:
フェンシングの人気が高まり、競技人口の増加に繋がりそうです。今一度フェンシングの魅力を教えてください。

ロンドン五輪 銀メダリスト 三宅 諒さん:
フェンシングは“格闘技版チェス”と言われていて、とにかく考える格闘技です。色々な課題にチャレンジしたり、工夫したりするところが魅力的な競技ですね。

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<プロフィール>
ハロルド・ジョージ・メイさん
プロ経営者 1963年オランダ生まれ
現パナソニック、アース製薬の社外取締役など