当時13歳の姉は両親と再会した翌日に…

ことし7月、東広島市で開かれた原爆展に竹本さんの姿がありました。ここは2年前、竹本さんが初めて被爆証言をした場所です。

この日、10歳離れた姉の長女・君江さんの話をしました。当時13歳で中学生だった君江さんは、建物疎開作業中に被爆。その後の足取りが分かりませんでした。

竹本秀雄さん
「学徒動員の姉は行方不明のままだった。それがある日、『君江さんは、似島へ収容されとる』という情報が入ったんです。いつ聞いたのかは私は知りません。ただ、両親が似島に行ったのは29日。原爆から23日経っているんです」

両親が似島に着き、収容所で君江さんを探しているときでした。

被爆証言をする竹本秀雄さん

竹本秀雄さん
「突然、向こうから『お父ちゃん、お母ちゃん』って声が聞こえたんですって。それが姉だったんです。だから、待っとったんでしょうね。親を」

家族と再会を果たした君江さんでしたが、その翌日の30日、13歳という若さで亡くなりました。

竹本秀雄さん
「日本の終戦は8月15日。だけど私は決してそう思いません。うちでは、終戦は8月30日だと思っている」