日本公演が実現「ウクライナの芸術が生きていると証明できて幸せ」

 いくつもの困難を乗り越え日本公演は実現しました。7月24日に「ロームシアター京都」で行われた公演は、ウクライナの民族舞踊を取り入れた演目「ゴパック」で始まりました。衣装は寺田さんの母親が用意してくれたものです。
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 賑やかな舞から一転、フィリピエワさんが「瀕死の白鳥」を踊ります。波打つような細かい腕の動き。消えかけた命を掴もうとするかのような白鳥の姿に会場は静まり返りました。
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 そして寺田さんが今回の公演のために特別に振り付けた「ひまわり」。カラフルな衣装をまとったダンサーたちが楽しそうに舞台上を駆け回ります。ひまわりはウクライナの国の花です。平和と復興への願いが込められています。

 公演を通じて、ダンサーたちはウクライナに平和が戻るよう訴えました。
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 (副芸術監督 寺田宜弘さん)
 「キエフバレエ団、ウクライナの芸術が生きているということを証明できて私としては本当に幸せです。きっと戦争は終わる日がくると思います。そして新しい時代、新しい芸術、新しいバレエ団としてすばらしい時代を迎えることができると信じています」

 8月9日、全国16都市での公演を終え、団員らはそれぞれ避難場所などへと戻っていきました。次の切なる願いは祖国ウクライナでの舞台です。