そんなに有名ではないけれど、よく保存されていて見どころの多い「穴場の」世界遺産を3つ紹介したいと思います。3つとも番組「世界遺産」で撮影したことのある所です。

山の上の天空都市…メキシコ「ソチカルコの考古遺跡」

標高1300メートルの山頂にあるソチカルコ遺跡

まずはメキシコの「ソチカルコの考古遺跡地帯」。標高1300メートルの山の上にある天空都市の遺跡です。ソチカルコは、昨年、番組「世界遺産」でも撮影したのですが、首都のメキシコシティから車で二時間ほどと撮りに行きやすい場所にあります。

「大ピラミッド」と呼ばれる神殿

その歴史は1300年前に遡り、大ピラミッドと呼ばれる神殿や球技場など、古代メキシコの文明の遺跡がよく残っています。またテオティワカンやマヤなど、他の地域の文化の影響も見ることができて、「中米の古代文明の要素を一通り見ることができる」遺跡といえます。

ソチカルコの「球技場」

たとえばマヤの遺跡でよく見ることができる「球技場」。マヤの場合、球技の後に参加者の首を切り聖なる捧げものにしたともいわれ、球技場は神聖な儀式の場であったと考えられています。

球技場に残る輪

ソチカルコには3つも球技場があり、球を入れる石の輪(つまりゴールです)も残っていて、よく見ることができます。

ソチカルコから出土した「赤い男」の像

また「赤の男」といわれる真っ赤な像も出土しており、これも見どころ。赤はマヤでも太陽の色、つまり王権の色とされてきました。ソチカルコの「赤の男」も支配者階級の暮らしたエリアから発見されており、頭部の形はまるで光輪のよう。胴体部分も不思議なひねりの効いた造形で、不思議な魅力を放っています。