20年前に始まった平成の大合併で鹿児島はどう変わったのかお伝えするシリーズ「ふるさと新時代」です。今回は当時、合併をせず、単独の道を選んだ自治体の1つ、垂水市です。

現在の市の人口は1万2500人。人口は20年前から4割減りました。人口の減少が進む中、ブリの養殖や海外輸出を手がけ、年間300億円を売り上げる企業があります。ブリにとどまらず、地域を活性化しようと、新たなチャレンジを始めています。

大隅半島の中央に位置する垂水市。錦江湾一帯には養殖いけすが並びます。

(記者)「桜島前に広がる牛根沖。いけすには養殖ブリが3000から4000匹いて、元気にえさを食べています」

垂水市では1950年代以降、ハマチ養殖発祥の地・香川県から技術を取り入れ、波が穏やかで安定した海水温を生かし、カンパチやブリの養殖が盛んに行われています。今では、カンパチの生産量は日本一。ブリは長島町に次いで国内2位です。

垂水市でブリを養殖・販売する企業、グローバル・オーシャンワークスグループです。社長の増永勇治さんは指宿市生まれの55歳。鹿児島実業高校を卒業して地元の水産会社に就職したあと、40歳で会社を設立しました。

(GOWグループ 増永勇治社長)「日本の誇れる美味しいものを世界のテーブルに届けることを目標に掲げた」

およそ200のいけすで年間35万匹のブリを出荷し、1次産業の生産と2次産業の加工、3次産業の販売をかけあわせた6次産業化を実現。加工はすべて“人の手”にこだわっています。