積極的な声かけ「失敗をカバーするチームワーク」

小笠原キャスター:
ポイント2つ目は「失敗をカバーするチームワーク」です。橋本大輝選手がメダルセレモニー後のインタビューで「4人のおかげで最高の演技が出来た。ミスもあったが声をかけてくれて前を向けた」ということを話していました。

橋本大輝選手が決勝2種目目「あん馬」の演技途中に落下してしまう場面がありました。すかさずチームメイトが「絶対あきらめるな!いけるよ!」と声を掛けていました。

池谷幸雄さん:
順番にどんどん点数が上がっていくのが理想なので、点数を取らなきゃいけない、という位置にいて橋本選手は相当ショックだったと思います。

ホランキャスター:
落下はどの選手にもあることだと思いますが、こういった舞台で落下してしまったときの精神的なダメージはやはり大きいですか。

池谷幸雄さん:
大きいですね。得点が3人の演技の合計というところが、一人ひとりにものすごいプレッシャーがかかっているので、1人が失敗してしまうとものすごく順位が動きます。だから「つり輪」の時点で5位だったんです。

井上キャスター:
中国のチームなども声をかけ合っているように見えましたが、素人目に見ても日本は段違いな感じがしました。

池谷幸雄さん:
気合いが全然違うというか、“追う者と追われる者の違い”というのもあります。中国は追われてるので「このまま維持していこう」という感じですが、日本の場合は追うしかないので「行くぞ!行くぞ!」と言ってみんなで盛り上げながら、鼓舞しながらやっているという感じです。

ホランキャスター:
鼓舞していたところで一番力を発揮していたのはどの選手でしたか?

池谷幸雄さん:
やっぱりキャプテンの萱選手ですね。一番声も出していたし、「諦めるな!」と言っていたのは、みんなに聞こえていたと思います。

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<プロフィール>

池谷幸雄さん
バルセロナ五輪個人ゆか銀メダル 団体銅メダル
日本体操協会元理事