世の中の仕組みや常識を教えてくれた 「おせっかいな」先輩芸人との出会い
吉本新喜劇などで活躍する先輩芸人の小藪千豊さん。徳井さんにとってようやく現れた恩人でした。東京で共演したテレビ番組が終わったあとなどに、小藪さんはよく徳井さんを食事に誘いました。
高級な寿司屋で食事をするときはその作法を説き、今使っている道路や施設は「先人たちが作ってくれたものだから、生まれた時から借金をしているつもりでいなさい」と語るなど、世の中のしくみや常識を厳しくも丁寧に教えてくれたといいます。

それは、小藪さん自身が母親から教わったことだったということです。
徳井健太さん「小藪さんのお母さんが、息子が小さいときから高級寿司とか高級割烹とかにすごく連れていっていた。その理由は、男が高級料亭とか高級寿司に行った途端おどおどするようなださい大人にはなってほしくないというのと、金を持っているからって偉そうに寿司を食うやつにもなってほしくなかったそうで。普通にあるごはん屋さんの中で、ちょっと高いだけっていう感覚を小藪千豊少年にも持ってほしいからずっと連れて行っていた。小藪さんはお寿司屋さんでも偉そうでもないし、こびへつらうわけでもなく普通に食べるんですけど、僕は舞い上がったり、上からになったりするのをずっと怒られて教えられて。小藪さんがお母さんから習ったことを僕に教えてくれているみたいな感じだったのが、うれしかったなって」