■「フェニックス・ゴースト(不死鳥の亡霊)」
そもそも内部に入り込んだ特殊部隊や秘密工作部隊の戦力は通常の軍とは大きく違うという。
東京大学先端科学研究センター 小泉悠 専任講師
「ロシアの“特殊作戦部隊の父”と言われるクワチコフの著書を読んでると、特殊部隊が内部に入り込むと相当厄介で、5倍から8倍の兵力がなければ掃討できないとある。だから少数でも潜り込ませる価値があるんだと」
今まさにこの特殊部隊がクリミアでロシア軍の要所を破壊しているのかもしれない。そこで使われていると噂される新兵器がある。
いまだ断片的な情報だが、それは▼6時間飛行可能な無人機らしい、▼リュックサックに入る大きさらしい、▼アメリカが700機供与したらしい、正確な情報も写真もまだない。これがクリミアで使われたのか、直接聞いた。

アレストビッチ大統領府長官顧問
「(新型無人機を使ったかどうか)認めることも否定することもしません。それが私たちの情報ポリシーだから。ただ一つ言えるのはそういう無人機がウクライナに多く入ってきています。(中略)」
Q.フェニックス・ゴーストはリュックに入る?
アレストビッチ大統領府長官顧問
「はい。これは非常にいい武器で、すぐに準備でき、発射でき、ピンポイントでターゲットを攻撃することにとても優れています。」
クリミアの空軍基地が攻撃された航空写真を見せた。周囲を壊さず、戦闘機だけがピンポイントで破壊されている。これはフェニックス・ゴーストで攻撃したものか聞いた。アレストビッチ氏は暫くとぼけた表情でうなった・・・
アレストビッチ大統領府長官顧問
「Nuuuu~。作戦に害を及ぼさないという原則の下、細かいことは言えません」
と目をそらした。

東京大学先端科学研究センター 小泉悠 専任講師
「アレストビッチさん、言いたそうでしたね・・・。フェニックス・ゴーストってそれくらい秘密にされてるんですよ。名前も明かされてなかったのに急にウクライナに出した。確かアメリカの国防総省の記者会見でも、どういうものなんですかって質問を受けても“言えません”だったんですよ」
どこにも明かしていなかったものをいきなり実戦に送り込む。やはり戦場は格好の実験場ともいえる。