2つの戦争だけではない紛争地からの五輪選手

こうした平和への呼びかけにも関わらず、やむことのない戦火。それでも、平和への思いを胸に大会に臨む選手がいます。

度重なる内戦を経て、いまなお武力衝突が続く南スーダンから、男子800メートルに出場するアブラハム選手。

人口の半数以上が今年、危機的レベルの飢餓に陥るとされるなど、深刻な人道危機に直面しています。

南スーダン代表 グエム・アブラハム選手
「(多くの選手は)お金がないので靴を買うことができません。裸足で走り、硬い石を踏みつけ、血が出ています…」

内戦で国民同士が争いを続けるなか、今回オリンピックに出場する思いを、こう語ります。

南スーダン代表 グエム・アブラハム選手
「私が走ることで、(内戦下の)国民が一つにまとまれると信じています。少しでも国が平和になる手助けになればいいと願っています」

平和の祭典・オリンピック。その意義がパリ大会でも問われています。

(「サンデーモーニング」2024年7月28日放送より)