◆漁協が「洋上風力発電」反対表明

洋上風力発電をめぐっては、反対運動も起きています。唐津市沖で進む洋上風力発電の設置計画に対し、福岡・佐賀・長崎の漁協が反対を表明しています。

小川島漁協 川口安教・前組合長「やっぱ海はつながっとるけんが、少し海ば壊しただけでも魚道が変わると」
◆「海底遺物への影響」懸念
洋上風力発電の影響が懸念されているのは、漁業だけではありません。

福岡市埋蔵文化センター 佐々木蘭貞さん「玄界島の沖の海底から引き揚げられた遺物、洋上風力発電なりのケーブルが引っ張られ、近くにあると、もしかしたらこういった遺物は完全に失われていた可能性は十分あります」

玄界灘の海底から発見された陶磁器や瓦などの遺物です。海から文化を取り入れてきた日本の周辺の海には、こうした遺物が多く眠っているとみられます。

佐々木蘭貞さん「海外ですと、何万点という遺跡が発見されていますので、日本にも数多くの遺跡があったという風に思いますので、貴重な文化遺産が失われるということが考えられます」
◆設置海域を限定すれば・・・
そうした懸念もある中、風車を集めるマルチローターシステムは、設置する海域を限定できることから問題の解決につながると、大屋名誉教授は指摘します。

九州大学 大屋裕二教授「エネルギーを取るのに、1か所に集中させて壁みたいに高い垂直面を作って、エネルギーを取る。そっちのほうが海域の利用としては有効になるだろう。社会が受け入れてくれるだろう。ここのポイントだけを使わせてください、と」
◆九大の挑戦は続く

大型風車をめぐっては、欧米メーカーが先行し日本企業はほぼ撤退しています。政府が洋上風力発電を大規模に導入することを掲げる中、日本の技術力を生かした中型の風車を量産し、洋上展開を目指す九州大学。脱炭素社会を目指すための「切り札」になれるのか、注目されます。














