大阪桐蔭×大分東明

 予選プールもう一つの注目は、激戦の大阪地区予選を突破して、初めて7人制大会の全国の舞台に進んできた大阪桐蔭。今シーズンは、15人制の選抜大会、サニックスワールドユースと、無敗で栄冠をものにしてきただけに、その戦いぶりに注目が集まりました。第1戦は、札幌山の手(北海道)相手に45対0と完勝した大阪桐蔭。第2戦は、強力外国人選手を擁してこの7人制大会は3大会連続7回目の出場と実績も十分の大分東明(大分)と対戦しました。

 試合序盤は大阪桐蔭ペース。7人制では使いどころが難しいキックを有効に使って大分東明の圧力を避けると、敵陣深くに攻め込んで試合を進めます。そして、大分東明のミスを誘うと、うまくボールの反応した川端隆馬選手がトライ。5点をリードします。しかし、大分東明もすぐさま反撃、直後のキックオフからミスなくボールをつなぐと、巧みなランニングから石川徠人選手が中央にトライ。ゴールも決めて7対5と逆転して、前半を終了します。

 勝負の後半、風上にまわった大阪桐蔭に思わぬミスが出ます。キックオフのボールがそのままタッチラインを割って相手にボールを与えてしまいます。中央からマイボールでの攻撃となった大分東明、このチャンスを確実に生かしました。縦に強い2人の選手がしっかりとしたランニングで前に出ると、フォローした斜木莉士選手が中央にトライ。ゴールも決めて14対5と突き放しました。

 逆転には2チャンス以上が必要な大阪桐蔭、その後は、リスクをおかして自陣の深い位置からでもボールをつないで攻めに出ます。しかし、大事なところでミスが出てボールがつながりません。逆に後半4分、大阪桐蔭がボールをこぼしたところを上手く拾い上げた大分東明の下川悠輝選手がトライ。このトライが勝負の流れを決定づけました。その後も得点を加えた大分東明が35対5で勝利。選抜大会に続く高校ラグビーのタイトルを狙った大阪桐蔭の夢は、大分東明の前に断ち切られました。