ハリス氏は不支持率が上回る状況…勝利への道筋を描けるか

小川彩佳キャスター:
ワシントン支局の涌井さんに聞きます。民主党の候補はハリスさんで決まりということになるのでしょうか?

ワシントン支局 涌井文晶 記者:
民主党は、正式な候補者選びの手続きを近く決定するとしていますが、現時点ではハリス氏が選ばれる可能性が高くなっています。

ワシントンポストによると、民主党の上下両院の議員と州知事、合わせて286人のうち、これまでに185人がハリス氏の支持を表明しました。この中には大統領候補として名前が挙がっていた、カリフォルニア州のニューサム知事も含まれています。

このほか、クリントン元大統領夫妻もハリス氏の支持を表明するなど、民主党内ではハリス氏への支持が広がっている状況です。

ただ、仮に民主党がハリス氏に候補を一本化したとしても、勝利への道筋を描くのは簡単ではありません。

そもそも、ハリス氏は副大統領として担当していた不法移民対策などで実績を残せておらず、評判は芳しくありません

各種の世論調査の平均では、ハリス氏の支持率は38.1%、不支持率は52.3%と、不支持率が大きく上回ります

トランプ氏との直接対決では、ハリス氏のほうが若干バイデン氏よりも支持率が高いという結果も出ていますが、選挙まで100日余りと残された時間が限られる中で、共和党を上回るような勢いを民主党が作り出すことができるのか問われることになります。

小川キャスター:
ずっとバイデン氏の撤退論が続いてきたわけですが、このタイミングでの撤退を、星さんはどうご覧になりますか?

TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
6月のテレビ討論でバイデンさんはどうも調子が悪かったので、民主党の議員の人たちからは“トリプルレッド”という不安が出ていました。

つまり、大統領も取られて、上院と下院の多数も共和党に取られるというのは大変なことだと。その懸念が、バイデンさんにも伝わったというのが一つあるでしょう。

もう一つは、ハリスさんのトレンドが少しずつよくなってきたことです。もしかしたらこの勢いなら、民主党が結束すればトランプさんを打ち負かすことができるのではないかという期待をバイデンさんが持ち始め、最終決断をしたとみられています。

いずれにしても、大統領選挙が俄然面白くなってきたことは間違いないです。

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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年