大統領選からの撤退を表明したバイデン大統領。後任にハリス副大統領を推しました。なぜこのタイミングで撤退を決断したのか。ハリス氏はトランプ氏に「勝てる」候補になるのでしょうか?

バイデン氏“撤退表明”の内幕は? 決断は前日か

高齢不安、“身内”からの圧力、そしてトランプ氏暗殺未遂事件後の共和党の勢い…。逆風の中、バイデン大統領が決断を下しました。

バイデン大統領(21日、Xより)
「再選を目指すというのが私の考えだったが、自分が撤退し、残りの任期に大統領としての責任を果たすことに集中することが、党と国にとって最善の策だと思う」

再選を狙った現職大統領が選挙戦から撤退するのは、1968年のジョンソン大統領(当時)以来で、56年ぶりとなるきわめて異例の事態。バイデン大統領は今週、自身の決断について国民に説明するとしています。

声明から1時間半後、トランプ氏はSNSで、こう発信しました。

トランプ前大統領(SNSより)
「インチキ ジョー・バイデンは、我が国の歴史上、群を抜いて最悪の大統領だ」

また、民主党のオバマ元大統領は、バイデン氏の決断を称えたうえで、こう述べました。

オバマ元大統領の声明
「ドナルド・トランプ氏をホワイトハウスに復帰させ、共和党に議会の支配権を与えれば、彼(バイデン氏)が生涯を通じて戦ってきたことすべて、そして民主党が支持するすべてが危険にさらされるのだ」

注目されるのは、次の民主党の大統領候補です。

バイデン氏は“後継候補”として、ハリス副大統領を支持する考えを表明。これに対し、ハリス氏も「党の候補者指名を勝ち取りたい」と意欲を示しました。

トランプ氏は、CNNの取材に対し、こう答えています。

トランプ前大統領
「ハリス氏のほうがバイデン氏よりも倒しやすい」

移民対策を担当するハリス氏を、これまでも批判し続けていたトランプ氏。

トランプ前大統領(20日)
「私は笑うカマラ(・ハリス)と呼んでいる。笑い方で多くのことが分かる。彼女はクレイジーで狂っている」

共和党もさっそく、ハリス氏の移民対策が不十分だったと批判する動画を投稿。ハリス氏が笑う場面を何度も登場させ、非難しました。

バイデン大統領(12日)
「選挙戦を続けるのか?撤退するのか?私は出馬し勝つつもりだ!」

一転して撤退表明となったバイデン氏。その決断は、いつ下されたのでしょうか。

CNNによると、声明の前日、バイデン氏は側近2人と会合を開き、世論調査などで「勝利への道が基本的には存在しない」ことを示されたといいます。

会合の終了前に、撤退の意向を示したというバイデン氏。側近に声明の作成や発表の準備を指示し、この日の夜、家族会議を開いたということです。

そして声明当日、バイデン氏はハリス氏と複数回の会談を行い、決断を伝えたといいます。