イチロー氏は「全てが揃った素晴らしいプレーヤー」

Q.松井さんにとってイチローさんはどんな存在でしたか?

松井さん:オリックスの頃から素晴らしいプレーヤーだなと思ってずっと見ていました。
ご縁という意味では、実は中学のときに同じ大会に出ていたんですけどね。お互いその頃は認識していなかったですし、高校時代も練習試合を金沢と(イチローさんの出身校の)愛工大名電(愛知)の両方でやりましたし、遠いようで実は近かかったみたいな。そういう感じはあります。

Q.日本人メジャーリーガーとして一時代を共に歩んできた間柄ですし、タイプの違うバッターでとにかく注目されていたと思うんですけど、現役当時イチローさんに対して感じる思いは?

松井さん:私の中ではもちろん選手としてもバッターとしてもちょっとタイプが違うっていう感じだったんで、例えばイチローさんに嫉妬するとか、そういうことは全くなかったです。負けないように何とかしようとか全くなかったですし、任されている打順も違う。外野っていう意味では一緒だったかもしれないですけど、チームも全然違うチームだし、そういう意味でイチローさん個人をすごい意識したということはないです。もう全てが揃った素晴らしいプレーヤー、素晴らしい1番バッターであり、守備も走塁も完璧にこなすと。客観的な目では見ています。

Q.イチローさんも、同じ注目される日本人として、メジャーの舞台でプレーする存在がいたというのは、とても幸せなことだったと話されていました。

松井さん:そう言っていただけると嬉しいです。私はライバルっていうにはちょっと大きすぎるというか、やっぱりメジャーの中で、置かれている選手としてのポジション的にも、“イチロー”って大きいですよね。私は目立つチームにいたかもしれないけど、ヤンキースの選手の一人なので。そういう意味ではもちろん同じ日本人という部分もありますけど、イチローさんはもうシアトル、大きく言えば「シアトル=イチロー」みたいな。そのぐらいのイメージで見ています。

Q.いろんな記録を積み重ねたイチローさんの活躍は、松井さんにどんな影響がありましたか?

松井さん:いやもうただ単に素晴らしいと思いながらも、「まあイチローさんだったらやるよね」みたいな、ある意味当然っぽい感じでもありましたね。だから残している数字はもちろん素晴らしいですけど、それ以上に「イチローさんだったらやるよね」ぐらいな。私はなんとなくそういう感じで受け取ってましたね。

Q.引退後のイチローさんの活躍をどう思われていますか?

松井さん:こういう活動ももちろんそうですし、高校野球にもよく教えに行かれているという報道を目にしていますので、イチローさんの思いが何かあるんじゃないかなと。やはり特別な数字を残した方ですし、特別な経験をされてきた方なので。自分の身に付けている技術というものは、たくさんおありになるでしょうから、それを次の世代に伝えていくというのはまたイチローさんの何か搔き立てるものになっているんじゃないかなと思います。

【試合日程】
9月23日 午後1時30分開始(東京ドーム)