共和党内の“反トランプ”の訴え 「もはや健全な政党ではない」
共和党も一枚岩ではない。実は、党内にも“反トランプ”の動きがあるのだ。
今週、共和党大会の会場周辺を走っていた広告宣伝車。流していたCMは。


リンカーン・プロジェクトYouTubeより
「経済を一番よくした」「LIE(嘘)」
「ウイルスは4月になくなる」「LIE(嘘)」
「11月5日はこの国の歴史上、最も重要な日となるだろう」「TRUE(真実)」
トランプ氏の発言は「ウソだ」と批判するこのCM。共和党員、それも過去に政権中枢を支えた人々が立ち上げた「リンカーン・プロジェクト」によるものだ。
なぜ、身内であるはずのトランプ氏を批判するのか。プロジェクトの幹部はトランプ氏の手法は従来の共和党のやり方ではないと批判する。

リンカーンプロジェクト ライアン・ウギィンズさん
「従来の共和党は伝統的家族観や道徳的秩序を重んじる党でした。共和党と民主党がうまくいかなくても妥協点は見出せました。もはや健全な政党ではなく民主主義ではない専制政治に変わろうとしています」
共和党では銃撃事件を受け、団結する気運が高まっているというが…

リンカーンプロジェクト ライアン・ウギィンズさん
「トランプ氏は正真正銘の嘘つきです。事件後、団結へ動くわけがありません。アメリカの民主主義を分断に導く本当にひどい人です」
明海大学の小谷教授は、今後の共和党は「伝統的な考え方」から、さらに離れていくだろうと見ている。

明海大学 小谷哲男教授
「前回、トランプ氏はその副大統領のパートナーとしてマイク・ペンス氏を指名しました。これはペンス氏というのはもうまさに伝統的なレーガン、ブッシュの時代の共和党を代弁するような政治家なんですね。ペンス氏を指名することで伝統的な共和党員を安心させようとしたんですね。ところが今回はバンス氏を副大統領候補に指名しました。このバンス氏というのも伝統的な共和党員ではないです。今後共和党というのはやはりトランプ党にまさになっていくということだと思います」
トランプ氏とバンス氏の政権がもし誕生するとすれば、その後のアメリカはどうなるのだろうか。

明海大学 小谷教授
「トランプ氏は分断をうまく活用して1期目の大統領に2016年になった。敵を作ってその敵に対して攻撃することで自分の支持者を固められるということだった。分断をあおる政治スタイルを維持するのか、それともそれを改めていくのか。これを我々としても見極めていく必要があると思います」