「全国政党化」の戦略とは

8月20日土曜日の夕方。埼玉県さいたま市の「JR大宮駅前」に日本維新の会の代表選に立候補している足立康史衆議院議員、馬場伸幸共同代表、梅村みずほ参議院議員(届け出順)の3人が街頭演説会にやってきた。

近くで夏祭りがあるのか"浴衣姿"の人が行き交う中、集まった聴衆はざっとみたところで100人くらい。小雨が降る中、足を止める人もいたが、維新の黄緑の旗と関係者ばかりが、やはり目立つ。代表選の投票権を持つのは、議員ら「特別党員」と「一般党員(2年間党費を納入)」の約2万人で、投票は特別党員、一般党員にかかわらず"一人につき一票"となり同等だ。だが実際に、投票権を持つ「党員」が大宮駅前にどれくらいいるのか...片っ端から声をかけてみた。

話を聞くと、いわゆる「吉村知事のおっかけ」をしている人や、東京都内からわざわざ演説を見に来たという人もいたが「党員」ではなかった。ようやく見つけたのは、党員になって3年という埼玉県在住の女性。「大阪では盛り上がっているかもしれないが、埼玉では代表選はほとんど知られていない。そもそも党員が少ない」と訴えた。

維新の事務局によると、埼玉県の一般党員は304人で国会議員や地方議員の特別党員も13人しかいないのだという。大阪府には約1万2000人の党員が集まっており、次いで兵庫県の1380人、東京の820人と続き、埼玉は党員数でいうと全国10位で、全国政党というには党員数もかなり「歪」な構成になっているのは否めない。そもそも『党員がどれくらいいるのか分からない状況』で、代表選の街頭演説をする意味はあるのだろうか。3人はこう訴える。