■地産地消にこだわり 日本サステイナブル・レストラン協会の格付けで四国初の2つ星獲得
松野町にあるレストラン「セルバッジオ」。滑床渓谷のほとりに緑に囲まれて佇む店には、県内外から多くの客が訪れています。
(北久さん)
トマトは松野町のトマトで、バジルは今はまだ違うんですけど、松野町の農家の畑を間借りしていて、今そこにバジルを植えているので、夏はそれを使わせてもらっている

(カリフォルニアからの客)
おいしい!
(東京からの客)
とにかく野菜が美味しくて愛媛に来たかいがありました

(北久さん)
まさか2つ星とれるとは思っていなかったので純粋に嬉しかったです。地元の農家さんが頑張ってくれて自分たちのレストランがあると思っているので、出来る限り地元の農家さんの野菜を使いたいという思いがある
そんなセルバッジオが2つ星を獲得した理由がもう1つあります。
■廃棄していたピザ窯の灰 食器の原料に

(北久さん)
冷まして、ゴミ袋に入れて砥部焼の作家さんのところに持って行っています
産業廃棄物として業者に依頼して廃棄していたピザ窯の灰。この灰が料理を盛る食器に使う、愛媛の伝統工芸・砥部焼の原料として一役買っているんです。
北久さんから届く灰を原料として取り入れている、松山市内の砥部焼窯では…

これが基本の透明釉になるんですけど、大体これがさっきの灰が25%ぐらい入った薬
灰が使われているのは、陶磁器の表面にガラス質の艶や強度を出すために使う釉薬です。
(北久さん)
最初は灰の話もなく、純粋にそのお皿を使いたいというところから灰の話になって、ぜひ使ってくださいという流れで使ってもらうようになった
灰を釉薬にする手順は、まずバケツの水にさらしアクを抜いていきます。数週間かけて何度も上澄み部分の水を取り替え、沈殿したものを振るいでこして乾燥させた後、他の原料と灰を混ぜれば完成です。
元々は、個人の家の薪ストーブで出た灰などを使っていたという宮内さん。現在は、ピザ窯の灰を他のところで出た灰と混ぜて、様々な種類の釉薬を作って使っているそうです。
(砥部焼作家 宮内さん)
自分で灰を作ろうと思うとたくさん燃やしても少しの量になるんですけれども、1回にまとまった量をいただけるのはとても助かります

食材の調達から店で出るゴミまで、地元の資源を活かすことにこだわる北久さん。今後も様々な取り組みを思い描いているといいます。

最初は「大丈夫?」みたいな声もあったんですけど、やっていく中で応援してくれる方はどんどん増えていってるので、もっと応援してもらえるようなレストランにしていけたらいいなと思っている