夫婦で作り上げた農園は原発事故で一変
およそ30年前、神奈川県から夫・正彦さんのふるさと富岡町に移住し、夫婦でブルーベリー農園を営んでいました。
遠藤さん「新婚旅行でオーストラリアに行って、アイスクリームにベリーソースがかかっていたのを食べたのが発端ですね。主人がおいしいおいしいと言って、ブルーベリーを育てたいと、帰ってきてからずっと言っていたんですね」
夫婦で作り上げた農園は、夏になると県の内外から多くの人が訪れ、賑わったといいます。しかし、原発事故で生活は一変しました。

夫・正彦さん「イノシシ除けをやっておかないと大変なことになってしまうので、このフェンスは外せません。震災前はそんなことなかったんですけど」
夫の正彦さんは、喜多方市と富岡町を行き来しながら、富岡町の農園を管理しています。
夫・正彦さん「このあたりはもう全部、根っこの周りを掘られたり折られたりして、木が悲惨な状態になっていましたね」

原発事故後、町から人が消えると農園はイノシシに荒らされ、栽培していたブルーベリーの半分が枯れてしまったといいます。もう町には戻れない…先行きの見えない不安を抱える中、遠藤さんに転機が訪れました。