早ければ2030年にも、たんぱく源となる食肉などの生産量が追いつかなくなる「たんぱく質クライシス」が起こると言われている。国内の食肉販売量のシェア20%を占め、たんぱく質クライシスに立ち向かうという日本ハムの井川社長に話を聞いた。
日本ハム・井川社長が語る おきて破って人気商品再成長

幅広い世代に人気があるシャウエッセン。購入客は「他のより買うならシャウエッセンを買う」。「他のメーカーが特売で安くなっていて安いからと思って食べたが、値段よりも美味しさの方をとった」という。
このシャウエッセンが発売された1985年に日本ハムに入社したのが、2023年社長に就任した井川伸久氏。井川社長は、加工事業本部長時代、これまで社内ではタブーとされていたシャウエッセンブランドの新たな展開を始めた。「ホットチリ味」や「チーズ味」のほか、カットしたシャウエッセンをのせたピザなどの発売だ。
――シャウエッセンの再成長に向けていろんな手を打ったとか。

日本ハム 井川伸久社長:
おかげさまで、シャウエッセンは順調に伸びている。「ボイルすべし」「切るべからず」「味はプレーンのみ」という「シャウエッセンのおきて」があったが、そうこう言ってられないと。幸いにも消費者のシャウエッセンの認知度が高いので、一度食べてみようというトライアルが通常の商品よりも非常に高い。
こうしたブランド展開もあり、2022年、2度の値上げを行ったにもかかわらず、売り上げを伸ばしている。