失踪後「子供を引き取ってうちで面倒みました」

検察官 なぜ行方不明になったと思いますか。

兄 ーみんな見当がつきませんでした

検察官 被告の子供は?

ー近所で浮浪児みたいになって。つぐみと私たちの母とで迎えに行きました。うちで引き取って、子供2人が高校を卒業するまで面倒をみました。当時、長男が14歳、長女が13歳でした。

検察官 あなたと母、つぐみさん、和美被告の子ども2人、の5人で暮らした?

ーそうです。

検察官 主に誰が育てたんですか。

ー母とつぐみです。私は給料を渡していました。

和美被告の夫(当時)は長距離トラックの運転手で県外に出ていることがほとんどで、残されて街をさまよっていた2人の子供をつぐみさんときょうだいの母が迎えに行った。子供が住んでいた家は、家賃が滞納されたうえに、「散らかっていてすごい状況だった、と聞きました」。

行方不明になっていた和美被告は、2014年6月26日、北九州市内で保護された。迎えに行った家族が「何をしよんか」と尋ねても、和美被告は黙っていたという。その当時の状況を質問した検察官に、兄は感情をあらわにして大きな声で答えた。

検察官 その時、和美被告は、「申し訳ない」とか子供の安否を尋ねることはありましたか?

ーいっさい、ありませんでした。母親も怒っていました。

検察官 そしてまた行方不明になった?

ーはい

姉妹の実の兄が証言台に立った