第1子の誕生から2年。専業主婦の妻に家事育児のほぼすべてを任せて、仕事に没頭してきた静岡放送制作部の増田哲也(41)は、第2子の誕生を機に47日間の育休を取得し、日々の体験を「育休日誌」と題して書き留めた。育休さえも「仕事」と位置づけた増田は、テレビマンとして、その日誌を何らかのコンテンツに昇華させたいと言う。
相談を受けたのは、共働きで3児を育てる静岡放送報道部の伊豆田有希(41)。増田の家庭とは対照的な、夫婦ともフルタイムで働く会社員だ。「他人の私的な日誌に興味はないんだけど」と思いながらしぶしぶ読み進めると、増田との価値観の違いから突っ込みどころ満載。「ふーん」で済まされるものではなかった。
仕事と育児。育児と仕事。どっちが優先?子育てってなんだろう?育休日誌を引き合いに、“昭和型父”の増田と、“令和のワーママ”伊豆田が対話した。6回にわたって連載する。
<シリーズ全6回>
【1】妻は上司 /【2】「休めた?」にモヤっ /【3】妻への嫉妬?/【4】「育休は逃げだ!」 /【5】隙間時間は結局仕事 /【6】育休終えての結論
【プロフィール】
増田哲也:静岡県牧之原市生まれ。2005年静岡放送入社。社会部記者や編成、営業を経て、2022年から夕方ニュース番組「LIVEしずおか」編集長。2024年4月からバラエティーやドキュメンタリーを制作するディレクターに。アスリート、会社員を経て現在は専業主婦の妻、長男ツン(2)、次男タダチン(0)と4人暮らし。近所に頼れる親族はなく、長男の誕生以降、家事育児は妻が担ってきた。2024年4月の次男誕生をきっかけに約1か月半の育児休業を取得。
伊豆田有希:広島県福山市生まれ。静岡新聞などで18年間新聞記者。人事異動で2023年から静岡放送報道部の記者兼ディレクター。小学生の長男(11)、次男(8)、保育園年長の長女(5)、メーカー勤務で遠距離通勤の夫と5人暮らし。2023年3月まで9年間、短時間勤務制度を利用した。次男と長女の誕生後は、それぞれ1か月ずつ夫も休みを取得。現在は、夫が週2日在宅勤務。2週に1回は、家事代行業に頼りながら、夫婦2人で家事育児を分担している。
(伊豆田)
え?ちょっと待って。奥さんが指示を出してくるのは、増田が自発的に動かないからでしょ?しかも家事育児を仕事だと思ってる?妻は上司?
家事も育児も増田の日常生活そのもののはずなのに、なんか他人事というか。まったく主体性を感じられないんだけど?