街頭で感じた「石丸現象」 変わる選挙スタイル

その変化は街頭演説の現場ですぐに気づいた。
6月29日、目黒区大岡山。土曜日の夕方、演説が始まる1時間も前から駅前のロータリーには人垣ができていた。一見して若者や女性が多い。組織や政党が動員をかけているようには見えない。ボランティアスタッフが明るく声をかけてはチラシを配布している。
そして…「キャー」とどこからともなく嬌声があがると、予定時刻よりすこし早く石丸氏を乗せた街宣車が到着した。
「おー石丸やー」若い男性からも動画で見た人物を生で見た感慨が漏れる。白の半そでシャツにスラックスという爽やかクールビズスタイルで現れ、笑顔で手を振る石丸候補。

演説冒頭、石丸氏は聴衆に「初めて来た人は?」「Youtube動画を見たことをある人は?」と挙手を促し、コールアンドレスポンスで距離を縮めていく。
自己紹介から経済の話をゆっくりと淡々と語り、決して絶叫することはない。たくさんの人が集まっていることが嘘のように、みな静かに耳を傾けている。
そして、政策を具体的に深く語ることはせず「続きはWEBで」とまるで保険会社のCMのように演説をまとめにかかる。最後は自らに投票して欲しいなどと直接的な表現はせず、「みんなで東京を変えましょう!」「選挙を楽しんで欲しい!」と呼び掛けて次の会場へと向かっていった。