T2森本CEOに聞く! 完全自動運転トラック 輸送サービスの実現へ

――若い人たちが、集まって活気ある新しい会社だ。

T2代表取締役 CEO 森本成城氏:
各業界の第一線のエース級がどんどん入ってきて「本当に日本の物流変えたい」という熱い思いを持った仲間が集まっているという状況だ。

――出資されている企業からの出向者はいるのか?

T2代表取締役 CEO 森本成城氏:
出向者も少しはいるが、ほとんどはOEMだったり、ロボティクスだったりと、色々な業界からこれ(自動運転開発)をやりたいと入ってくれた。(やめてこの会社に来てくれた?)はい。そういう人たちが今80人ぐらい(いる)。

――その熱い想いは「日本の物流が駄目になる前に何とかしたい」ということか。

T2代表取締役 CEO 森本成城氏:
日本の物流を支えたい。あとうちの技術者は研究開発だけではなく、実際に製品を世に送り出して需要化して社会貢献したいとか、それによって家族や周りに誇れるものを作りたいとか、そういう面白いメンバーが集まっている。

いまドライバー不足は深刻だ。2030年度にはトラックドライバーが全国で36%不足して物が運べなくなるという予測があり、物流業の人手不足倒産は2024年1月から6月にかけて27件あり、2023年同期からほぼ倍増している。もう既に人手不足始まっていて、毎年状況が悪くなっていく。しかも2024年は残業規制も既に始まっている。

――自動運転には、いくつかレベルがあるとか。

現在T2はドライバーが乗車して、高速道路での自動運転を行う「レベル2」の段階となっている。そして2027年には高速道路でドライバーが乗車しない“特定条件下における完全自動運転”「レベル4」を目指している。

――このレベル4は、なかなか実現しないが、トラックで可能なのか。

T2代表取締役 CEO 森本成城氏:
できると思っている。“特定の条件”が「高速道路」というある程度、環境が安定しているところで、一定の天候条件等であればしっかりと開発すれば、実現できると考えている。

――いま、レベル2で実験していて、運転手さんが乗っていて手を離して運転できるという映像はもう何年も見ているが、いつ「完全自動運転」ができるようになるのか。

T2代表取締役 CEO 森本成城氏:
我々のターゲットは2027年だ。

現在建設中の新名神高速道路で京都の宇治田原インターチェンジに直結する形で、自動運転トラックなどが利用できる物流施設の建設も進んでいる。一方、東京側にも同様の物流施設を建設する予定だ。

――日本で一番需要が多い東阪間を完全自動運転でトラックを走らせたいと。やはり採算性から?

T2代表取締役 CEO 森本成城氏:
一番困っている区間でもあるので、東京~大阪間をまずやって、その先に九州・四国にも伸ばしていきたいと考えている。

――物流拠点をいくつも作っていくことでネットワークが広がっていく。

T2代表取締役 CEO 森本成城氏:
はい。これは三菱地所がつくっているが、我々としても高速道路出入口付近に独自に土地を押さえて、有人から無人、無人から有人に切り替える拠点を作って、その近辺の物流センターに運んでいくオペレーションを考えている。それで会社をスケール化させていこうと考えている。

――物流センターから本線に合流していくところもレベル4の自動運転にしていくのか。

T2代表取締役 CEO 森本成城氏:
今はまだそこまではやっていない。合流というのは車線変更の延長にあり、車線変更に関しての開発をテストコースで、色々なケースでやっている。2024年の秋ぐらいから公道で車線変更を実証していき、それができたら年末年始あたりに、ジャンクション等の公道で合流の実験をやっていきたい。