顔と実名を公表して旧優生保護法訴訟を戦ってきた原告の1人、千葉広和さん(75)は「不妊などの手術を受けた仲間に名乗り出てもらいたかった」と思いを語ります。
色鉛筆で細やかに描く絵のテーマはいつも「山」です。

旧優生保護法訴訟の原告 千葉広和さん
「中学校、秋田にいた時に山登りしたことを思い出す」
千葉さんは今から約60年前、障害者施設に入所していた17歳の時に不妊手術を受けさせられました。
2018年に提訴し、その後顔と実名を公表して裁判を戦いました。
それは、同じように手術を受けた施設の仲間のためだといいます。
旧優生保護法訴訟の原告 千葉広和さん
「仲間たちがテレビを見て『裁判がしたい』と弁護士に訴えてほしかった」
千葉さんの裁判を支えてきたグループホームの代表は「被害者の声を丁寧に拾っていきたい」と話します。
グループホームきょうどう舎・中村周代表
「国は国で責任を果たすが、被害者の身近にいる私たちがやらなければいけないことはたくさんあるはず。もっとこのことを丁寧に拾って、掘り起こしていく必要がある」
今後は、いまだに声をあげられていない被害者を見つけ出していくことが必要だといいます。
仙台弁護士会は、7月16日、旧優生保護法に関する無料の電話相談会を開きます。時間は午前10時から午後4時まで、電話番号は0570-07-0016です。
不妊手術を受けた被害者や家族、知人、福祉や医療に携わる人などからの相談を受け付けるということです。
