看護師から「生理がなくなる手術」と言われ子宮摘出 77歳の女性「今も子どもは欲しい」

判決後、勝訴の文字を見つめる女性の目には涙が…

西スミ子さん(77)。旧優生保護法によって大切なものを奪われた一人です。

西さんは今回の裁判の原告ではありません。現在も東京地裁で審理が進められています。

西スミ子さん
「悔しいですね。病気で子宮をとったわけじゃない」

西さんは生後6か月の時に脳性麻痺を患い、肢体不自由の児童のための療育機関に入院。

生理が始まった13歳の時、職員や看護師に責められるようになったといいます。

「また生理なの?」
「自分の生理の始末も嫌なのに、他人の始末はもっと嫌だ」


看護師から「生理がなくなる手術がある」と言われ、子どもを産めなくなるとは知らずに旧優生保護法に基づく子宮摘出の手術を受けました。

被害に気がついたのは、それから10年後。

西スミ子さん
「(子どもは)今も欲しいことは欲しいけど、もう歳も歳だから」

国に責任を認めてもらおうと、損害賠償を求める訴えを起こしました。

西スミ子さん
「私の命、返してほしいです」

3日の判決。仲間の勝利に西さんは「勇気をもらえた」といいます。

ーー西さん自身の裁判に向けてここからスタートですね。

西スミ子さん
「勝とうと…」

旧優生保護法は「憲法違反」 一方で「優生思想」は過去のものか?

小川彩佳キャスター:
歴史的な判決が出されました。まずはここまで長きに渡って苦しんでこられた方々の戦いに敬意を表したいです。

ただ、法律は過去のものでも果たして「優生思想」は過去のものだろうか?と感じます。障害者施設での痛ましい事件も記憶に新しいですし、SNSがあることで「優生思想」をもとにした発信が、賛同を得て広がっていきます。その度に苦しめられ、傷つく方々がいるわけです。

QuizKnock CEO 伊沢拓司さん:
「優性思想」という言葉を使うと綺麗に聞こえるかもしれませんが、明確な差別です。「命に一切の例外はない」ということを心に留めておかなければなりません。

この判決はすごく画期的ですが、まだまだゴールではありませんので、これからの裁判の行方も注目したいと思います。